2012年6月12日火曜日

被災者の立場になれば優先順位は自ずと分かる

先日紹介した「いまこそ被災地に想いを!」講演会で、陸前高田市の戸羽太市長が話していたことです。
是非、皆さんに伝えたい言葉です。

被災者の立場になってものを考えてください。
そうすれば、優先順位はおのずと分かります。

今度の被災は日本全体の問題として理解してほしい。
被災した市庁の前で、Vサインで写真を撮る国会議員がいる。

政府や総理と喧嘩せざるを得ない。もちろん、喧嘩したいわけじゃない。でも、立場なら言わざるを得ないことがある。

陸前高田市は、良くも悪くも被災地の象徴となっている。
だから陸前高田の復興は陸前高田だけの問題ではない。
日本全体の復興の姿勢として世界は見ている。


でも彼らは分かっていない。
もし東京や大阪でこのような被災をしたら、1年2か月経っても、瓦礫をこのままにしておくだろうか。


上記は講演会の話し言葉を要約しています。
戸羽市長の言葉がそのまま伝わらないかも知れません。
でも私なりに伝えたいと思います。

「被災者の立場になれば、優先順位は自ずと分かる。」
私も本当にそう思います。

もう日本国民の関心はかなり薄くなっています。
まだ道路も鉄道も何も戻っていない被災地の復興よりも、原発再稼働の議論よりも、AKB総選挙の話題が大事な国なのです。
もちろん、「毎日、陸前高田市をはじめとする被災地のことだけ考えて欲しい。」と言っている訳ではありません。私たちが東北に住んでいるから、支援して欲しいと言っている訳でもありません。

私たち日本人は、また数年後にどこかで大震災が起こるかも知れない日本列島に住んでいるのです。どこで何が起こっても日本全体のこととして捉えなければ、お互い生きていけない環境と理解しなければならないのです。

私たちは、貧しくても、痛みも楽しみも皆で分かち合えるような美しい民族だったはずです。