2012年6月3日日曜日

モレスキンとダイスキン

モレスキンというノートがあります。
昔フランスで販売されていたもので、ゴッホもピカソも愛用していたという有名なノートです。今は復刻版がイタリアで製造販売されています。
モレスキンは文化も創り、その中に文化を納め、長い歴史を経て来ています。
日本では、近年の綴じノート復権の牽引役を果たした功績もあります。

ハードな表紙で机無しで立ったままでも、安定して書き込めます。紙質も満足するものです。この高級感は他のノートでは味わえないもので、無地のノートを中心に、私はかなり長い年数使っています。日本ではモールスキンと言っていた頃からです。

ただし、モレスキンの値段はポケットサイズで1,890円、ラージで2,730円(伊東屋)ですので、かなり高価なノートになります。
私は、他のノートと使い分けていますので、モレスキンは1ヶ月に1冊程度の消費です。
まあ、毎日使うものを満足して使うなら、この値段は容認できる範囲と思い使っておりました。





最近、知らなくて良いものを他人から教えてもらいました。
あの百均のダイソーからモレスキンにそっくりのノートが売り出されているのです。
人呼んで「ダイスキン」だそうです。
上記の写真の左右がモレスキンで、真ん中がダイソーのノートです。
一寸見には分かりませんね。そっくりです。
堅い表紙等の特徴は同じで、立ったままのメモにも使いやすいです。

でも手に取ると分かります。満足感はまったく違います。
質感は違います。紙質はモレスキンより白く粗いようです、しおりひもの質も悪く挟んだページに馴染みません。裏表紙に付いているポケットが無い等々、いろいろ違います。

だから、これはコピー商品とまで言いづらいでしょう。。
でもモレスキン人気で企画されたデザインでは有ると思います。
だって私達はこれを見てモレスキンを想起するのですから。
黒で無くても、かなり濃いグレーです。
私はこのような安易な企画商品は、あまり好きでは有りません。
魂も文化も無い文具は認めたく有りません。

私はおそらくモレスキン使用を止めないでしょう。
圧倒的な品質と文化を持っているものは、絶対に残ります。

しかしその反面、私はモレスキンの海外の値段を知っています。
モレスキン側の日本の商売の仕方を少し疑問に思っていました。
すべての商売は、品質の追求をしながらも、お客様のために内部的な合理化を図ることは当然と思います。

2000円前後のモレスキンに対して、ダイスキンは100円です。20倍です。

でもこれは苦し紛れのダンピングでは有りません。中途半端なコピー商品を、中途半端な廉価販売しても、まったく売れないでしょう。また綿密なコスト計算の無いダンピングでも会社が潰れてしまうだけです。

ダイソーは綿密なコスト計算と圧倒的なコスト削減の努力をしています。

おそらく、モレスキンを使いながら、ダイスキンも私のノートの一つに加わるでしょう。保存性を考えない一時的なメモ帳として。日本のちょっとしたメモ帳も100円を超えますので。