2012年6月5日火曜日

広く浅く仕事をする?

本日、私のブログを見てくれている土地家屋調査士開業希望の方から、開業についての質問を戴きました。本気でご質問戴いたので、私もしっかり説明させて戴きました。

震災前から私のブログを読んでくださっている新人の方々にはお分かりと思うけれど、最近読み始めた方には、真意は伝わらないかも知れないと思ったので、今日の質問を下さった彼以外の開業希望者や開業した新人のために、ちょっと書いてみます。

彼は他の資格も取って、「広く浅く仕事がしたい。」とおっしゃっていました。
調査士分野としては、建物は滅失登記、表題登記、土地は(簡単な)分筆登記程度・・・

気持ちは分かります。
初心者の内に、深い仕事や複雑な仕事は、怖いし面倒だし、あまりやりたくないですね。
でも、そんな簡単な仕事の依頼が新人の土地家屋調査士に行くことは、とても珍しいのです。
そのような仕事は大抵ルートが決まっています。

実は逆に、新人の事務所には、誰も受けたくないような面倒な仕事が来るのです。
それをどう思うかです。
その仕事は他の先輩がやりたくない仕事です。
ですから、その仕事をやる分には、仕事を取った取られた、ということにはなりません。

私は新人の頃、先輩が苦手な分野は何か考えて、一生懸命勉強して身に付けました。
誰でもできる仕事は、待ってても絶対に来ません。
でも、他の人に断られた仕事は、最後に新人のところに来ます。

昔、先輩3人に断られたという区画整理がらみの仕事が来ました。
土地区画整理法を読んでいなければ、分からない仕事です。
たまたま私は勉強していたので、受託して処理できました。
その後、その依頼者は、私以外には仕事を頼まなくなりました。

また別に、どんな登記の分野でも、見かけは簡単でも、実は深い問題が隠れていることもあります。それを見抜く力も付けなければなりません。

「新人だから簡単な仕事から手がけたい。」とても分かりますが、そんな顔している人には誰も頼みたくないですね。

逆に圧倒的な力を付けましょう。
営業しなくても「これができる先生はいないか?」と捜して仕事が来るようになります。
力の付け方は、過去も何回か紹介していると思いますし、これからも書きます。

開業を考える人は、私が一年前に書いたこのブログも、併せて読んでくださいませんか。