2012年5月24日木曜日

政治連盟についての私の考え

5月22日は宮城県土地家屋調査士政治連盟の平成24年度定時大会が開催されました。
私は来賓としてお招き戴いて、祝辞を述べる機会を戴きました。
全国の会員の政治連盟に対する関心が薄いように見えます。
また動きが見えない政治連盟もあるようです。
政治連盟に関しての私の考えを、祝辞にしましたので、以下のとおり紹介します。


<祝辞>

  本日、宮城県土地家屋調査士政治連盟の平成24年度定時大会が開催されましたことを心からお喜び申しあげます。
日頃は、宮城県土地家屋調査士会に対しご支援・ご協力を頂き、誠にありがとうございます。この場をお借りして厚く御礼申しあげます。

昨年の東日本大震災により、東北は大きな被害を受けました。ただ今、全国のご支援を受けながら、東北は復興の途中であります。この復興が東北の最優先課題であることは、論を待ちません。
一方、国外ではユーロ発信の深刻な経済問題等々、国内では原発をはじめとした復興阻害問題等々、不安定要因が積み重なり、日本の社会経済が不安定になっております。
一度絆のもとに一致団結した美しい日本の国民が、また自分の目先の生きていくことだけに振り回され、本来あるべき姿を各人が見失いはじめているような感があります。

そんな中でも、土地家屋調査士として原点に立ち戻り、日本の不動産登記は、地籍制度はどうあるべきか、日本の未来を語りたいものだと常々思っています。

さて、その日本の不動産の公示制度はどうあるべきかを国会で議論して戴いて出来上がったのが「不動産登記法」であります。そして、その登記という公示制度の中で、私たち土地家屋調査士のどうあるべきかを国会で議論して戴いて、お示し戴いたのが「土地家屋調査士法」であります。
これらは、近年、規制改革、司法制度改革や都市再生、電子政府というキーワードの基に各々改正されました。

本来法律は、改正により良くなるはずですが、実際は良くなった部分だけではなく、我々専門家から見ると大変使い勝手が悪く、国民の負担を増やしているだけの部分も見受けられます。
また昨年までは問題なくても、大震災後、見直すべき問題点も浮かび上がってきました。

国会で決まったことに内輪で文句言っていたり、評論家のように他人事で批評していても、何も変わりません。もっと前から、しっかり議員を選び、しっかり国会の議論を注視し、必要が有れば議員の先生方の議論のお手伝いをし、国会で先生方に、国民の視点に立って議論して戴くことが大切です。

過去、土地家屋調査士会は政治活動が不得意でした。不得意と言うよりタブーとされてきたかも知れません。政治連盟とは、自分たちへの利益誘導だけ訴える組織のようなイメージだったのかも知れません。
でも、私たち資格者は、国民の為の専門家として資格を戴いているのですから、国民の利益になるような専門的意見を国会に届ける義務が有ります。そこを自覚しなければなりません。

今日ここにご列席いただいている議員の先生方は、土地家屋調査士に大変理解のある先生方です。
ですから本日ご列席いただいている先生方に、国会で広い意味での地籍について、活発にご議論していただければ、日本の登記や地図の制度が真に国民のためのものになるでしょう。
また地籍の問題に起因する復興の隘路は減少していくことでしょう。
そういう活動をしていくことが、私たちも資格を与えていただいている国民の皆様へのお返しになると信じております。

宮城県土地家屋調査士会は直接政治活動ができない組織ですが、政治は語りたいと考えております。これからも政治連盟のバックアップをしっかりしていきたいと考えておりますし、政治連盟会員の増加にもご協力させて戴きたいと考えております。

今後ともお互いに情報を交換し合い、一層強固なパートナーシップを構築し、国民のための土地家屋調査士制度を共に目指すことを提言し、祝辞に代えさせていただきます。

本総会のご盛会と、貴政治連盟がますます発展されますことを御祈念申し上げまして、祝辞とさせていただきます。