泥まみれの作業服
おめえ様とすれちがう時
おらは目頭が熱くなるちゃ
宿舎にもどって行くおめえ様の背中に向かい
おらは心の中で最敬礼するのしゃ
おめえ様は仕事だからと実に格好いい
おめえ様にも緑豊かな故里があり
心やさしい家族が待っているべ
ほんでも もうちょっとだけ
おらに力を貸してけねが
おらも精一杯努力すっから
必ず夜の次には朝がきて
泣いたあとには笑うときがくるちゃ
この前テレビでどこかのばあちゃんが
ありがとがすと何回も頭を下げていたのしゃ
おらも同じだ
ありがとがす ありがとがす ありがとがす
おらも精一杯努力すっから
ありがとがす
高橋悦朗氏
岩手県一関市 62歳
作品エピソード
大震災による沿岸部の方々の被災には言葉もありません。
内陸部に住む私の家も、7月解体しました。
連日、支援に向かう多くの方々を見て、せめて詩を借りてお礼申し上げたいと思いました。
「ありがとうの詩」河北新報社 を読みました。
東日本大震災の際の全国からのご支援に対し、感謝を詩にしたものを50編集めた詩集です。そのうち8編には宮城県ゆかりの作曲家が曲をつけて、そのCDも付いています。
人に何かを伝えたいときに、詩という形も良いものだと思いました。
詩以外では伝えにくいことを、詩ならば伝えられると思いました。
読みながら涙が出ました。
おそらく読む人の立場、環境により、受け取り方が違うでしょうし、出る涙の種類も違うのでしょう。
でも、良ければ読んでみてください。
「ありがとう」という言葉の美しさが、心にしみます。