さて、昨日5月24日は、一年目作業を担当していない人を対象にした作業の説明会を、仙台市中野の被災地で開催されました。
現地で具体的に建物を見ないと、具体的な論点が理解できないものです。
普段私たちが扱っている建物滅失登記は、所有者が建物を取り壊すという明確な意志を持って取り壊し工事を発注するので、私たちが調査に行っても迷いが少ないのです。
しかし被災地の建物では、壊したくない建物なのに津波で壊されたのですから、その壊れた建物をガレキとして処理するのか、それともなんとか修繕して住むのか、所有者の判断が分かれますので、私たちが調査に行っても明確な判断が難しいことが有ります。
手前の一階部分が壊れています。人は住んでいません。
周辺の建物は公費で解体されています。
でも何故かこの建物は残っています。
所有者が取り壊さないで修繕するという意思を持っているのか、所有者が公費解体の意思表示ができない状態なのか、これだけでは判断できません。
判断できないので、単純に滅失登記をすることはできません。
アパートの一階が大きく壊れています。
でもその奥の建物では洗濯物が干してあります。
生活しているのです。
最近の工法では、ほとんど完全に修復ができます。
また新築に規制がある地域では、取り壊さずに、あくまでも修繕ということで住み続ける意思が有るのかもしれません。
建物の滅失の要件は、建物認定の3要件の裏返しではないのです。
とても難しいものになります。
この調査は、儲かる儲からない、忙しい忙しくない、などと言う問題ではなく、私たち土地家屋調査士がやるべき業務なのですから、皆で協力し合って頑張りたいと思います。