2015年1月28日水曜日

まほろ駅前多田便利軒

『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』『風が強く吹いている』『舟を編む』などの「三浦しをん」の直木賞作品『まほろ駅前多田便利軒』の映画化したものです。
原作は読んでいません。

2011年4月公開の映画です。映画の存在は知っていましたが、さすがに東日本大震災直後で映画どころではなく、というより当時映画館はすべて休館でした。そんなことで、2011年以降しばらく映画館から遠ざかっていました。そこで、2011年から2年くらいの上映映画を時間の有るときに少しずつ拾っているところです。

このブログを読んでいる全国の方々には今更の記事でしょうが、私個人の記録のためと、いまだ観ていない人のために書いてみます。



神奈川県に突き出た東京都郊外に位置するまほろ市駅から徒歩3分の場所で便利屋を営む多田(瑛太)と、ひょんなことから多田のところに転がり込み、便利屋も手伝うことになる昔の同級生の行天(松田龍平)とのいわゆるバディムービー。
自称コロンビア人の娼婦ルルやハイシー、危ないアルバイトに手を出す小学生の由良など、便利屋稼業を通して一癖も二癖もある客たちの人生に深くかかわっていきながら、同時に2人の過去にも向き合うことになる。そんな1年間を描いた映画です。


いわゆるバディ・ムービーは、登場
人物二人のキャラクター設定と、物語におけるその役割分担、対立、理解、友情、そして二人の組み合わせによる空気感、これに尽きます。
この映画、瑛太と松田龍平という個性的俳優の組み合わせにより、物語上かなり危ない場面もありながらも、全体としてゆるい空気感が出ています。

他人のプライバシーに触れることになる便利屋をやりながらも、多田は他人の生活と一線を画している常識人、行天はそれらをまったく気にせずに好きなように行動する。
2人の言動、行動、すべてに違いが見えるが、走り方にさえその違いが現れて面白い。
多田はそんな行天の行動に手を焼くことも多いが、そんな行天の行動が、当面の問題のブレイクスルーになることが多い。

このキャラクター設定はバディ・ムービーの王道ですね。
こんな映画は、好き嫌い分かれるでしょうね。私は好きです。

様々なお客の依頼の中に、様々な親子の愛が浮かび上がってきます。
そしてそれを通して多田と行天自身のお互いに知らない意外な家族の関係も浮かび上がってきます。

この映画では、社会的悪人も出てきますが、それらの人物達とその将来にも必ず救いを残している物語になっています。これがこの物語がゆるい空気感のままで通せる部分です。

昨年続編『まほろ駅前狂騒曲』が映画化されました。これも観ていません。
宮城では上映が終わったようですが、どうしても大画面でという種類の映画でもないから、続編もまた何らかの手段で観ても良いかなと思いました。