2014年9月12日金曜日

安否確認の一番良い方法~東京会視察対応にて

9月11日で東日本大震災から3年半経ちました。

その前日の9月10日に、東京土地家屋調査士会の災害担当専門部会の皆さんが宮城会に視察にいらっしゃいました。首都直下型地震や東南海地震等が懸念されるので、その対策を検討されているそうです。

また翌日には荒浜や閖上、そして仙台空港などを視察してくださいました。

皆さんは2011年3月の私のこのブログをご覧になってくださったようで、当時の宮城会の動きは良くご存じでした。

様々なテーマで議論をさせて戴きましたが、その中でも「会員の安否確認の方法」については私の意見をお伝えしました。

大規模災害の時には業務はすべて止まります。
会員指導もありません。
まずは会員の安否確認が一番の仕事です。

でもそれが、一番難しいことでした。

今は会員の安否確認には外部委託の会社があるそうで、平時に契約をしておけば、いざという時にはその会社が対応してくれるという選択肢もあるそうです。
東京会の皆さんに教えて戴き、逆に勉強になりました。

ただその場合は、平時に会員の皆さんのいくつかの個人情報を登録しておかなければならないので、何かと難しいこともあるようです。

何しろ災害時では、
停電になり、電話は通じない。道路は遮断されている。
事務所に行っても被災していればどこかに避難しているかも知れない。
避難先を調べるのはとても大変。
場合によっては公的な避難所ではなく、県外の親戚宅に避難しているかも知れない...

考えてみると、安否の確認はとても難しいのです。
宮城会の300人弱の会員でも、すべての会員の安否がほぼ確認できたのが
発災後8日後の3月19日でした。


さて私は各地にお招き戴いた「震災」に関する研修会で、必ずお伝えしていることの一つがこの「安否確認についての一番良い方法」です。

「何か大きな災害が起きたら、自分が大丈夫だと何らかの方法で組織に知らせてください」とお願いをしておけば良いと思います。
災害時に自宅や事務所が倒壊したり流失したりして、家族や親戚に不幸が生じたりしているときに、組織に連絡しようという発想はなかなか出てこないと思います。

だから平時に約束するのです。
もちろん、「自分たちの安全や生活が確保できてからで良いから」と言うことも忘れずに。
自発的に報告くれるのなら、組織は必要以上の個人情報は持たなくても良いですし。


以前も書きましたが、これは普段からの帰属意識によるものです。
普段からの人間関係です。

以前某組織は、「帰属意識の高揚」を事業方針大綱に掲げたことがありますが、会員の帰属意識は事業方針大綱で決めることではありません。
それを敢えて定めたくなるとすれば、会長に求心力が無く、会員に帰属しているという実感を与えていない組織である証明として反省すべきです。
どんな大きな組織であっても、「人と人との繋がり」がすべての基本だと思います。

それらが特に災害の時は決め手になります。

災害対策本部であっても、その混乱している災害時には「会議開催通知」のようなもので委員が集まってくる訳では無く、普段からの繋がり、使命感、絆で集まってくるのです。


そして「繋がり」とか「絆」というものは、災害の時に生まれるものでなく、普段から培われているものだと思うのです。

何も無いことを願いたいのですが、「災害は必ず来る」と考えなければ対策は甘くなります。
応援しています。