「全国の土地家屋調査士からいただいた支援物資ですが、目の前にオムツを捜している人がいたので、一部を渡しました。『熊本の土地家屋調査士の皆さんで』と言われたので、土地家屋調査士以外に渡して本当に良かったのか、迷いました。」
気持ちは分かります。
しかし、土地家屋調査士の団体から土地家屋調査士の団体に送られた物資であっても気にしないでください。
熊本で困っている人のために全国の人は支援物資を送っているはずです。
支援する方は何気ない会話でも、支援をいただく方は条件と捉えることが有ります。もらった方は「何としても近所の土地家屋調査士に配らなければならない。」と考えます。
日本人は真面目なのです。
そして被災地はナーバスなのです。
東日本大震災のときも、このような会話はありました。
当時、私たち宮城県土地家屋調査士会の対策本部も少し迷った上で、「全国からの支援物資の処分方法は当方で判断させてもらう」と決めて自由に動くことにしました。
あのときはガソリンがありませんでした。
車も自由に使えないときに、「どうすれば仲間に配ることができるのか」と悩んで、それに加えて「配らないと、自分たちもその物資に手を付けられない。」と考えてしまったかもしれません。
だから、支援物資を渡すときは、条件が含まれていると誤解されないように配慮しましょう。「ご近所の皆さんで」と言うのもやめておきましょう。
そして、支援物資を渡したら、その方がどう使おうと一切関知しないことが原則です。そして、もらった方は、自分の判断で処理してください。
実際に被災地では、その時その時で、必要な物資と必要な人が変わるのですから。