2014年3月17日月曜日

ビフォア・サンライズ ビフォア・サンセット

最近公私ともに忙しく、例のレイトショー通いもできず、年末年始の映画も含め映画館ではしばらく観ていません。
話題になった映画も話題にならなかった映画も含めて、観たい映画、気になった映画が有りましたが、年明けからたった2時間強の映画館に行く時間を作ることができずにおりました。

そんな中で「ビフォア・ミッドナイト」が上映されているということでした。
あのビフォア・サンライズ(邦題:恋人までのディスタンス)、ビフォア・サンセットの続編です。これは観たいと思いました。(なんでこんな邦題になるんだと思いましたが)

ビフォア・サンライズはとても好きな映画です。
普段ラブストーリーは観ない方なのですが、これは何度か観ています。
そしてビフォア・サンセット。ビフォアミッドナイトから9年後に、リチャード・リンクレイター監督と主演のイーサン・ホークとジュリー・デルピーが、そのままで前作の気になる9年後を描きました。

そして今回がそのまた9年後を同じキャストで描いているそうです。前作のラストもとても余韻のあるラストでしたから、当然今回も観たいのです。
そこでビフォア・ミッドナイトを観る前にこの2作を再度観て、心を元に戻してから観ようと出張の合間に前2作を観ました。
これは何度観ても良いです。

ビフォア・サンライズ。観ている人も多いでしょう。
列車の中で偶然に出会ったジェシーとセリーヌが、近くに座った中年夫婦の喧嘩をきっかけに意気投合し、ウィーンで降りるジェシーと共にセリーヌは途中下車することになります。そして2人がウィーンの街を歩き回りながら会話を続ける一夜の物語です。
ウィーンの街で通りすがりに会う人達だけも気の利いた脇役になっていますが、映画全体としては、ほぼ2人だけの会話でできています。
お互いの過去の恋愛や、たわいもない話し、または若いが故の哲学的な考えなどを話しながら、お互いを探り、愛を探っていきます。
そして別れなければならない夜明けが迫ってきます。
もう少しで別れる人と決まっているから、愛を確認することをためらわせ、それでも良いのかという葛藤とが直接的な表現を避けて見え隠れします。この2人の会話がとても良いのです。私はとても惹かれました。
最後には半年後の再会を約束してフランスとアメリカに別れます。
この余韻のラストシーンが良かったです。

そして2作目、ビフォア・サンセット。
ビフォア・サンライズの9年後を描いています。
あの半年後に会えなかった2人が、9年後にパリで再会します。
今度はタイムリミットは85分間で、パリの街を歩きながらの2人の会話が始まります。
何故2人はあの約束の半年後に会えなかったのか。そしてお互いの気持ちはどうなっているのか、またはどうなったのか。彼らだけでなく観ている私も今すぐにも尋ねたいことです。
しかし、あれからお互いに9年経って大人になっています。ジェシーには妻も子もいるようです。だから直接的なお互いの気持ちを探る言葉は躊躇われます。
でも9年前よりも時間がありません。
たわいもない話しだけをしていて別れの時間を迎える訳にもいかず、かと言って今、どう伝えれば良いのかというジリジリした感じが良く分かります。
そして最後はやはり余韻のラストシーンが待っています。
このラストは、映画トップ10に入っています(当社比)。

そんな味わいを確認するために、時間がかかったけれど前2作を観ました。
さてやっとビフォアミッドナイトを観る準備ができました。

そう思って映画館を確認したら、先週で上映終了とのこと・・・