何故、同業者にそこまで優しくできるのか。
新人にたまに聞かれる質問です。
新人の中には「廻りは全部商売敵」という殺伐とした感覚をお持ちの方もいるようですね(先輩の中にもいますが)。おそらく彼が今まで学んできた環境が、そのようなものだったのでしょうね。
あなたもそう思いますか。
私は補助者経験はないけれど、業界の先輩たちに様々なノウハウを教えてもらってきました。私も優しくしてもらってきましたよ。
本当に商売敵なら、私は頼まれもしないのに開業ガイダンスを企画したりして、自分の睡眠を削ってまで新人にノウハウを教えることはしませんよ。
あなたが本当にそう思うなら、逆にお尋ねします。
何故あなたは、私のガイダンスに参加するのでしょうか。
だって、あなたの思うとおりの業界だったら、私は将来の商売敵を潰すためにウソを教えるかも知れないでしょ。
自分が所属する業界が無くなっても自分だけ生き残る・・・それで本当にあなたは満足ですか。
自分が所属する業界が世間に頼りにされて、その中で自分も生きていく・・・その方が嬉しくありませんか。
あなたは他の土地家屋調査士と最低でも喧嘩はできませんよ。
我々土地家屋調査士が調査地の隣接者と立ち会うときに、隣接者にも土地家屋調査士が同行することがありますね。
また測量調査するときに、その土地や関連の土地を以前調査した土地家屋調査士に、質問やデータ提供をお願いしたいことがありますね。
(調査測量実施要領にもあるように、個人情報以外の地籍に関するデータは共有すべきなのです)
他にも、東日本大震災からの復興などの大きな現場や公嘱協会の仕事などは、土地家屋調査士が共同で作業することもありますね。
そんな中、他の土地家屋調査士と仲が悪いと、何かと困りますよ。おそらく土地家屋調査士の業界は、他の資格業界より同業者の世話になることも多いのです。
小さくなる市場を奪い合うイメージではありません。
皆で力を合わせれば市場は広がるんだ。そう思います。
自分の哲学を押しつける気はないです。
でも私が「新人研修はライフワーク」と言っている限り、私の思いを伝えて新人の皆さんに、もう一度考えてもらいたいとは思います。