2013年7月31日水曜日

土地家屋調査士の日に広報活動について考える


先日他の会の役員さんから、計画されている具体的な広報活動について、鈴木はどう考えるかと質問されました。こんなことを答えました。

広報活動は費用対効果がわかりにくい分野です。
何をやっても批判があるはずです。
でも何もやらないことだけはダメだと思います。

本日7月31日は「土地家屋調査士の日」です。
全国で一斉の登記無料相談会が開催されています。

私達土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記の専門家であり、土地境界の専門家です。このことを広く国民の皆さんに広報するためにも、無料登記相談会や境界に関する困り事相談会などを開催しています。

これらの相談会は、もちろん広報活動だけが目的ではなく、当然社会貢献の一つです。普段から不動産登記などの専門家として活動している土地家屋調査士が、社会にお返しする窓口の一つでもあります。
もちろん、一生懸命に社会貢献をすることにより、私達が何の専門家であるかが、国民の皆さんに自然と分かっていただければ、それが理想です。

さて以前も書きましたが、この相談会に来場される相談者について「多かった。少なかった。」ということを気にする方がいます。その方は、相談者が少なければ広報活動にはならないと考えているようです。

このような指摘は全く間違っていると、私は考えています。
「どこでどんな相談会を開催しているかが周知されていないから相談者が少なかった」というなら、もちろん広報活動として反省すべきです。

しかしそうでなければ、この相談者が少ないと言うことは実際に相談したい案件が少ないだけなのでしょう。
本当に緊急を要する相談は、もうどこかの土地家屋調査士事務所に相談して解決しているはずです。そうでない緊急相談が、列を作るほど有るとも思えません。

今登記や境界で困っている人が、街中に溢れている訳はありません。
仮にそうなら、その地域の土地家屋調査士である私達の通常業務が疑われます。
周りの人達が、私達の相談会のインフォメーションを聞いて、「今は問題が無いけれど、何か問題が起こったら土地家屋調査士に相談すれば良いのか。」と理解してくれたら、それ以上の広報はないのです。

ですから、機会ある度に継続して広報活動を続けるべきです。
大きなイベントも良いでしょう。でもそれが10年に一度の単発なら、役員が替わっても継続できる恒常的な小さな活動の方が効果が有るかも知れません。

「本来何を目的として今何をしているのか」をしっかりと共通理解して行動すれば、組織は目先の数字などに惑わされなくなります。