熊本県土地家屋調査士会が設置した「地図の源」(旧日本測地系第Ⅱ系測量原点記念碑)を見る機会がありました。
案内と説明をしていただいたのは熊本会前田千秋副会長(漬け物名人)と坂本隆一会員(あの有名なオンライン申請入門の作者)です。
実際に行ってみると、事前に私が勝手に想像していたものより、遙かに立派なものでした。
熊本会で測量して原点を出し、このモニュメントを設置したとのことです。
国有林の一部を借地して原点までの道路を整備し、立派な原点のモニュメントや銘板がありました。これらの資金を熊本県土地家屋調査士会が寄付を募ったものです。また県道からこの記念碑までの通路部分の国有林を熊本会が借地しているそうです。この行動力に敬意を表します。
「地図の源」は香川保一先生の書です。
斜面に張り出したテラスの上に復元された第Ⅱ系原点
以下、記念碑に刻まれた原点の説明です。
地図に関わってきた私たち土地家屋調査士の制度が誕生して50年を迎えました。記念すべきこの年は、伊能忠敬が日本地図を作るため測量の旅に出発してから丁度200年になります。伊能忠敬も丸い地球を平らな地図として表すことに随分苦労したようですが、現在では、地図の多くは全国を座標系と呼ばれる19の区域に分け、それぞれを平面とみなして作製されています。
今、あなたが立っているこの位置(東経131度00分00秒、北緯33度00分00秒)は、九州の大部分を含む座標系(平面直角座標系第Ⅱ系)の中心です。
座標系の中心を原点といいますが、―つの座標系の中にある、例えば学校や病院、あるいはあなたが住んでいる家の位置は、この原点からの南北方向の距離と、東西方向の距離で表すことができます。これらを平面上に表示することにより地図が作られます。いわばこの原点は「地図の源」と言えます
これらの座標系の基となる日本測地系と世界測地系の経緯度が、人工衛星を使った測量により、ずれていることが判明いたしました。現在、これを―致させる作業が進められています。その結果、この原点の位置が約400m南東に移動することになります。
そこで、土地家屋調査士制度制定50周年にあたり、永い間「地図の源」となってきたこの原点を、記念の碑として後世に残したいと思います。
2000年10月1日
熊本県土地家屋調査士会
もっと詳しい説明はyoutubeで動画があります。
熊本会の中島孝副会長が丁寧に説明してくださいます。
この「地図の源」はとても素晴らしいものと思います。地図に携わる者としてとても感激しました。なかなか測量原点で車ですぐ側まで行くことができるところはありません。土地家屋調査士に限らず、阿蘇観光をされる皆さんは、是非立ち寄ってみてください。
行き方ですか?
『東経131度00分00秒、北緯33度00分00秒』ですよ。
(日本測地系ですが)
(日本測地系ですが)
*カーナビは世界測地系です。