2012年2月7日火曜日

偽装被災者ですか?

ある支援団体の会合で、「長い間支援物資を送ってきた現地の支援団体には、偽装被災者も含まれるので、もうあそこには何も送らない。」というお話しをお聞きしました。

全国の景気は大変悪く、もう被災地支援はうんざりしてきたというところが本音でしょう。
テレビのニュースも、今更津波の映像もニュース性は薄く、別の角度からと言って、安易に「被災地バブル」などの報道がされているようです。
「全国が疲弊しているところ、バブルのところに何故支援しなければならないのか」当然そういう疑問になるでしょう。ちなみに現地ではこのような報道はありません。

確かに復興のための産業は、土木建設関係は忙しいでしょう。
それが現地の人間なのか、他所からの人間なのか、そして現地は潤っているのか、実際に来てみて欲しいと思います。
国分町などの繁華街は連日満員で、デパートは高級品が飛ぶように売れているんですって?
分かりません。
少なくても私には実感がありません。
震災前、年中無休だった大手百貨店が、最近休日を採り入れました。
本当はどうなんでしょうね。

先ほどの支援団体は、被災地に「何が欲しい?」と聞いてくださいます。
私たちはこの問いに答えにくいのです。
私以外の東北人は、我慢強く、遠慮も知っています。
でも遠慮して答えなければ「もう要らないんだ」と言われます。
下手に答えると「わがままだ」と言われます。

生きるか死ぬかのときは遠慮無く「水ください」などとお願いしましたが、今は生きてはいけます。
でも不自由さが変わらない方も多いのです。
その方々は、皆様にどこまで甘えて良いのか困っています。

避難所には物心両面で困っているたくさんの人がいます。

上記の支援団体の話ですが、支援品のお願いの中に、「プーマのジャージ」と「○○(ブランド)の口紅」の2点の要望があったようです。
「贅沢品だ!」
「何を考えているんだ。偽装被災者だ!」
「もうこんなリクエストを入れてよこす支援団体とは付き合わない!」となったようです。

気持ちは分かります。
でも何が欲しいと言われたから、子どもがジャージと言ったのでしょう。子どもだからどうせ戴けるなら「プーマに限る」と思ったのでしょう。その子にとってプーマは意味があるのです。
口紅も生きるか死ぬかのときを過ぎれば、女性は化粧したいでしょう。化粧品は何でも良いわけではないでしょう。「もし戴けるのなら、いつものこのブランドで」と思ったのでしょう。
それが支援者には気に入らないのでしょうね。
それなら、「このリクエストには応じられません」と言って戴いて、他のリクエストに応じて欲しいのです。偽装被災者とまで言わないで欲しいのです。

こんなことの積み重ねで、被災地は発信しにくくなります。

どんな支援物のお願いなら、お気に召すのでしょうか。
私たち被災地の人間は、発展途上国の経済難民ではないのです。
自分の子どもや孫が被災地にいて、「サッカーボールが欲しい」などと言ったら、本気で「偽装避難者だ!」と非難しますか?

ダメで結構です。
お願いですから、優しく「それは無理なんだよ」と言ってください。