2012年3月28日水曜日

復興に命をかける


今日は宮城県の村井嘉浩知事が書いた書籍です。
「復興に命をかける」です。



第一章 後世に伝えたい大震災の教訓
第二章 私の政治スタンス
第三章 豊かな将来をつくるための復興のビジョン
第四章 政治に求められるリーダーシップ
第五章 政治家としての原点
第六章 日本の将来のために今なすべきこと

陸前高田の戸羽太市長の本は、まさに被災地のど真ん中の小さな街で、市庁も市職員も失いながら、混乱の中で覚悟を決めて動いた7月までのことが書いてありました。
混乱時の地域のリーダーとしての公私にわたる決断と行動が、直接的に伝わるものでした。

今回の村井宮城県知事の本は、県全体の知事の立場なので、もう少し政治家としての視点から書かれています。
書いた時期も戸羽市長よりも落ち着いてからなので、大震災を教訓として、今後の復興のビジョンを示していますし、日本の政治という大きな視点から書いています。

どちらの本も、立場が違うだけで、それぞれのリーダーとしての決意が込められています。
おそらく陸前高田市民も宮城県民も、震災時にこのリーダーで良かったと思っているでしょう。
私自身も、大震災での宮城県知事の動きは評価できるものだったと思っています。


被災地のどちらのリーダーも書いていることは、政府や省庁の動きの悪さです。
昨年の復興大臣の発言や、先日の復興庁とのやりとりなどでも知事は苦労しました。
日本のシステムは、官民とも平時に合わせて作られているので、危機管理がとても弱いようです。
この点は、私もつくづく感じております。
日本全体にも地方にも、官にも民にも、どちらにもまともなリーダーがいないと復興はできません。

平時のリーダーは誰でもできます。官僚もしくは事務部隊にお任せしていれば、そつなく終わるからです。危機の時こそ、そのリーダーの真価が分かります。

東日本大震災のようなことは、今後日本中で起こるかも知れません。
官民とも、今のようなリーダーの選び方で良いのか、再確認する必要があると思います。
「政治は個人生活に関係ないから誰でも良い」のでは無く、災害時には命取りになるのですから。

時間があれば読んでみてください。