8月8日に、気象庁の地震火山部から「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されました。その内容は以下のようなものでした。
「南海トラフ地震の想定震源域では、新たな⼤規模地震の発⽣可能性が平常時と⽐べて相対的に⾼まっていると考えられます。今後、もし⼤規模地震が発⽣すると、強い揺れや⾼い津波を⽣じると考えられます。」
※新たな⼤規模地震が発⽣する可能性は平常時と⽐べると⾼まっていますが、特定の期間中に⼤規模地震が必ず発⽣するということをお知らせするものではありません。
「政府や⾃治体などからの呼びかけ等に応じた防災対応をとってください」
その発表から1週間、8月15日に政府は特別な防災対応の呼びかけを終了したと発表しました。
まずはここまで何も無かったことに、一安心するとして、今回の発表と終了が今後の発表に緊迫感が薄れそうだと心配します。
もともと、8日の発表でも、大地震が必ず起きるとは言っていません。過去の統計データから比較検討して「大地震が起きる可能性が高まった」と言っていたのです。
その反面、「地震の予知なんてそもそもできないのだ」という意見もよく聞きます。「地震学者達の予算獲得のために定期的に国民を脅かす発表をするのだ」という意見すら聞きます。
私は素人ですから、これらの意見に同調することも否定することもできないし、今後も意見を出すつもりもないです。
ただし、東日本大震災で被災した立場として、事前にもっと対策をしておけばよかったという反省があります。個人でも業界でも地域でも、やるべきことがたくさんあったと思っています。
それも想定外の大震災ではなくて、「東北でも大地震が起きる」とずっと言われ続けてきたのです。それでも、確率がとても少ないという情報への甘えと、信じたくないという逃げの気持ちが先に立って、結局は何もせずにあの3.11を迎えてしまったのです。
私は東日本大震災に遭って相当反省しました。
歴史を振り返れば、日本の各地には幾度も定期的に大地震や大津波に襲われてきた事実が残されています。だから、それらに近い大災害は今日という日ではなくても、いつかは必ずまた来るのです。
素人が今回の南海トラフ地震臨時情報の評価をしている暇に、事前に考える切っ掛けができたと感謝して、できる対策を考えて行動することが大事だと思うのです。
日進月歩で、建築物もインフラも進化しています。
定期的にその時代に合わせて震災対策を考えることが、地震国日本に住むために必要なことだと思います。
今回の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の終了で、震災に対して準備する時間に少しだけ余裕ができたと思い、準備を止めないようにしましょう。