令和3年度土地家屋調査士試験の最終合格者が昨日発表になりました。
努力が実りましたね。おめでとうございます。
合格した皆さんは、これから開業に向かって考えるのだと思います。まじめに将来を考える人には、私は全力で応援いたします。
さて、たとえ補助者としてこの業界に長くいる人でも、事務所開業は、経営者として専門家として新しい業界に入ることですから、再度業界を謙虚に調べるべきです。
調べると言っても、ネットサーフィンだけではダメです。ネガティブなことばかりの人の話は聞いても得られることはないです。できるだけ土地家屋調査士として活躍している人に会う努力をしてみましょう。
皆さんの身近な土地家屋調査士が予備校講師なら、その先生に相談することもあるでしょう。事務所も講師もしっかりやっている人もいますが、その方のメイン業務が予備校講師なら、やはり土地家屋調査士として実感のあるノウハウを聞くことは難しいかも知れません。
全国には面倒見の良い先輩もいるはずです。忙しい先生に失礼の無いアプローチをすればアドバイスなどしてくれると思います。
さて、土地家屋調査士事務所を開業して収入を得ていくためにはどんな能力が必要かという質問が多くあります。
確かに試験合格だけの能力しか無いのなら、開業してもどうにもならないでしょう。
ちょっと書いてみましょう。
土地家屋調査士で収入を得るとすれば、以下の要件が必須になります。
1.業務受託する能力があること
業務受託の目処が立っていない人が多いです。それならどうするか。考えなければなりません。受託の目処もなく開業すれば初期投資の回収もできないですね。
あなたが、ある程度の年齢なら何らかの人脈があるかも知れません。そこは考えてみる必要はあるでしょう。
どちらにしても、発注者が「今付き合っている土地家屋調査士よりもあなたに乗り換える方が良い」と判断できる要素があなたのどこにあるのか、そこを考えることがとても重要です。
もちろん値引きだけしか勝負ができないのなら、そもそもあなたは専門家の事務所経営はできないでしょう。
2.業務処理する能力があること
土地家屋調査士試験に合格しただけでは、どんな業務でも処理はできないでしょう。
測量や調査、図面作成、登記申請は想定内だと思いますが、それらをひとつひとつお金をいただくレベルにするには相当努力が必要です。
またそれに加えて周辺法律知識、税金等々の知識もないとお客様の相談に対応できないでしょう。お客様は補助者のような作業する人を求めているわけではないからです。
それらの能力をどうすれば身に付けられるかを考えなければなりません。
今まで補助者をやっていないとすれば、独学は難しいからどこかで教わる必要はあると思います。補助者で勉強する機会が得られないのなら、何らかの工夫と相当な努力が必要になると思います。
もちろん補助者勤めをすれば何とかなるという訳ではありません。どちらにしてもあらゆるお客様の相談に対応できるまでになるのは、補助者を何年しても自己研鑽がないと無理でしょう。基本的には教えてもらえない可能性が高いでしょうから。
私からのいくつかの提案は過去のブログをご覧ください。
3.経営能力があること
たとえ一人の事務所でも起業です。経営感覚が必要です。
開業すれば毎日経営判断が求められます。まじめにさえやれば給料をもらえていた時代とはまったく違う人生が始まります。
仕事がたくさんあっても潰れる事務所もあります。
そこは考えてください。
その他
合格者の質問の多くは、失礼ながらご自分の立場のみでものを考えているように思えます。土地家屋調査士は社会経済の中で相手があって成り立つ仕事です。
まずは実際に活躍している土地家屋調査士を、バーチャルではなく実体を持った存在として実際に調べてみた方が良いでしょう。
そして不動産登記や取引にまつわるニーズも研究する必要があるでしょう。
私のガイダンスでも、このあたりの情報は少しお伝えできると思います。
応援します。
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3月6日(日)に高松で開催する「土地家屋調査士事務所開業経営ガイダンス」の会場が決定しました。
「サン・イレブン高松」
〒760-0067香川県高松市松福町2丁目15-24
志度線・松島二丁目駅すぐ目前
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広島と高松のガイダンスは若干席があります。
受講なさりたい方は以下をご参照ください。
土地家屋調査士 鈴木 修 ブログ: 広島と高松のガイダンスは開催決定! (fermatadiary.blogspot.com)