2020年2月9日日曜日

土地家屋調査士試験合格後どの事務所で修行するのか

2月14日が今年の土地家屋調査士試験の口述試験の合格発表日ですね。
一週間を切って発表をわくわく待っている人達が多いでしょうね。
私のところにも筆記試験合格発表あたりから、また合格者から沢山の質問や相談が届いています。

皆さん、開業するのにどうすれば良いかという相談ですが、大きな問題として3つでしょうか。
1.開業資金
2.専門家としての実力
3.継続的な業務受託

詳細は開業ガイダンス等でお話していますが、参加できない方が多いので、継続してこのブログにヒントを書いてきました。よろしければ過去の記事もご覧ください。

昨年末の東京で開催した開業ガイダンスに参加されたNさんの当初の質問が以下のとおりでした。
「現在、私はまったく異業種の会社員です。実は、開業を前提に補助者としてお手伝いをさせて頂けそうな先輩方からのお声がけを頂戴しております。私としては、業務に全く自信がありませんのでそのような形で実務の勉強をさせて頂けることは非常にありがたいと思っており、まずは補助者としての経験を検討しております。
そこで、ご質問させて頂きたいことは

 1. 即独立してしまったほうが自己研鑽に磨きがかかりそうですが、反面失敗してしまうリスクも大きいように感じておりますがいかがでしょうか。

 2. 家族もおりますので、特に1年目の補助者の間の薄給に耐えることができるでしょうか。
 3. (省略。開業ガイダンスで答えました)」

開業資金は現職の間に準備できたようです。目標を持ってこられたのですね。立派です。

1の「即独立」か「補助者修行」か、についてコメントしました。
「専門家としての実力」については、試験合格程度の能力では、まったく役に立ちません。これは、ちょっとでも先輩土地家屋調査士とお話しすればすぐ分かることでしょう。
ではどうするかですね。
私は以前から書いていますが、即独の道を選びました。
補助者もやらずに独立したのです。
自分でやってみて思いますが、これはとてもキツイ道です。誰にでもお勧めするものではありません。
多額の専門家責任を問われるリスクのあるなかで、必死で独学をしながら業務をしていくということは無謀に近いものがあります。
できればどこかで修行すべきと思います。

さて、2の「1年目の薄給に耐えることができるか」って質問ですが、昨年の東京のガイダンスの質問に対する一番短い回答になりました。

「知らんがな」(笑)

私がいつも書いているように、修行したくてどこかの事務所の補助者になるのですよね。本来教えてもらうのなら授業料を払うべきものです。それを給料もらえるのだから諦めましょう。それも含めて開業資金だと思うしかありません。

ではどこで修行するかです。
募集しているところが丁度理想的な事務所なら良いですが、頻繁に募集しているところは間違いなく頻繁に退職している事務所ですし。

一番考えて欲しいのは、補助者は通過点で永久就職でないのですから、その期間の待遇を気にしすぎないことです。最近の傾向として、長期間の待遇を考えて法人勤めを検討する人が多いです。
「それってサラリーマンになりたかったのですか?」と聞きたくなります。
人数の多い法人はルーチンワークで回しているところが多く、何年勤めても土地家屋調査士として総合的な実力が付かないところが多いです。もちろん全部の法人を否定しているのではありません。少なくても私に相談してくる方々の環境はそんなものです。

かと言って、少人数でやっている事務所の方が総合的な実力が付くのかは、やはり各々の事務所次第です。
だから最終的に独立するつもりなら、そこの先生と会って、しっかり相談してから選ぶべきです。

募集していなくても、嫌われない範囲で気になる事務所に相談に行くのはいかがでしょうか。
募集していないのだから、おそらくほとんどは雇ってもらえないと思いますが、運良く土地家屋調査士に会えればなんらかヒントはもらえるでしょうし、あなたの社会人としての良識あるアポイントと話しぶりによっては、気に入られることもあるかも知れません。