2026年4月21日火曜日

土地家屋調査士の独立は“敵を作らない”が鉄則|補助者が取るべき退職戦略

 土地家屋調査士試験に合格し、今勤めている事務所を早速辞めて独立開業したいと思ったものの、事務所から引き止められている。確かに固定給がなくなる不安もあり、迷ってしまう。

これは本当によくいただく相談です。もちろん、答えはその人の背景や今後の目標によって変わりますので、一つではありません。


ただし、大前提として申し上げたいのは、「事務所から引き止められもしないレベル」であれば、独立後の事務所経営も厳しいかもしれないということです。

また、事務所側は、あなたに給料を払うために、あなたの分の仕事を確保し、準備しているのです。直前に「辞めます」と言われれば困るのは当然です。


そしてもう一つ、非常に重要な視点があります。

一度“辞める”と意思表示した補助者に対して、事務所は「この人はいずれまた辞めると言い出すだろう」と判断するのが普通です。  

つまり、強い引き止めに一旦思いとどまったとしても、長くその事務所に居続けることは現実的には難しくなります。

この点を理解しておかないと、判断を誤ってしまいます。

だからこそ、独立を考える頃に引き止められるのはある意味で当たり前であり、同時に「退職の意思を示した時点で、もう元の関係には戻れない」という現実もあるのです。


大切なのは、これまで育ててもらった事務所に対して失礼のないように退職することです。

特に、地元の事務所で補助者として働いていた場合、同じ地元で独立するなら、総会や研修会などでその先生と顔を合わせる機会がたくさんあります。そこで気まずい関係になってしまうと、その後ずっと尾を引きます。

逆に、大人として礼を尽くして退職できれば、長く良い関係を続けることができますし、困ったときにアドバイスをいただける存在になる可能性もあります。

これらが、私が「絶対に円満退職しなさい」と言い続けている理由の一つです。


では、「引き止められているのに円満退社はできるのか」という問題ですが、状況によっては次のような解決策もあります。


独立はするが、事務所が困る部分は外注として手伝う。必要であればぜひ呼んでください——という提案です。

やり方によっては、これは双方にとってウィンウィンになります。

 事務所側:同じ仕事を任せながら固定費が減る

 あなた:営業しなくても、手慣れた分野の仕事が目の前にある

お互いにとって非常に良い関係が築ける可能性があります。

もちろん、この方法が通用しない事務所も多いので、その場合は別のアドバイスをしましょう。


鈴木修塾では、このように一人ひとりの状況に合わせたカスタマイズのアドバイスを行っています。そして独立開業後も継続してフォローし、一流の調査士を多く輩出したいと心から思っています。

独立をするとしても、また事務所に留まることにするにしても、ご自分で決断したのなら、私は応援いたします。




2026年4月8日水曜日

サンスター文具「ツメカケ」

2022年6月発売直後に買って、今まで4年弱ほぼ毎日使っている文具を紹介します。
サンスター文具の「ツメカケ」です。


ノートや手帳の端に、ページを使い終わるたびに角を切り落としていく仕組みがあります。あれは本当に便利で、最新のページに一瞬でたどり着けるので、そのようなノートを昔から愛用していました。


ところが、一般のノートにはその機能が付いていません。そういうときは自分でハサミを取り出して、下端の角を斜めに切り落としていました。


サンスター文具の「ツメカケ」を使い始めたのは、発売された直後のことです。

初めて使ったとき、綺麗な円弧で角が切れることでとても気持ち良く思いました。

ハサミで切るとどうしても角度が揃わなかったり、紙が少し潰れたりするのですが、ツメカケならスッと刃が入り、仕上がりがとても美しいです。

ほんの数ミリの違いなのに、整った形を見ると気分がいいものです。



この“角を落とす”という行為は、単なる目印以上の意味があります。
今日どこまで進んだか、どのページまで使ったかが一目でわかる。
ノートを開いた瞬間に、今の自分の位置がわかります。

このような文具があると、好きなタイミングで、好きな形で、好きなノートに自分で“機能を追加する”感覚があって、ちょっとしたカスタマイズの楽しさがあります。

皆さんも、もし「自分のノートにも目印が欲しいな」と思ったことがあるなら、ツメカケは一度試してみる価値があります。
大げさな道具ではありませんが、ページの端に小さな円弧が並んでいくと、ノートとの距離が少し縮まるような、不思議な心地よさがあります。
そうなるとノートを常に傍らに置くことになり、ノートを使う時間そのものがちょっと楽しくなり、ノートに向き合う時間も増えるはずです。


ちなみにツメカケは、ノートの角を4分の1の円弧で切り抜くだけでなく、ノートの端を半円に切り抜く機能も持っています。これによって飛び出さないインデックスをカスタマイズすることができます。




文具というのは不思議なもので、便利だから使うというだけではなく、使っていて気持ちが良いかどうかが意外と大きいです。

ツメカケはまさにそのタイプの道具で、ほんの小さな円弧が、ノートとの付き合い方を少し豊かにしてくれます。

小さな道具ですが、ひとつ手元にあるだけで、ノートとの関係が少し変わります。気になった方は、ぜひ一度手に取ってみてください。



2026年4月2日木曜日

ユニボールZENTO

前回も書きましたが、ゼロから思考を巡らせるとき、私はまず“デジタル”から離れます。


既存のアイデアを改良するならコンピューターが便利ですが、ゼロベースで思考を整理したいときは、やはりアナログが一番です。

大きなノートを広げ、インクフローの良いペンで、ぐるぐると落書きするように書く――。これが私の思考スタイルです。


インクフローという点では、万年筆に勝るものはないと思っています。

ただ、万年筆よりも扱いやすく、もっと気軽に、ガシガシと使えるペンがあれば……。
それが私の理想でした。

これまでにも様々なペンを試してきましたが、前回紹介したZEBRAの「フィラーレ ディレクション」もそのひとつ。
そして昨年、私の“書く道具”に、強力な新たな仲間が加わりました。


三菱鉛筆の「ユニボール ZENTO」です。


これは三菱鉛筆が6年もの歳月をかけて開発した“やわらか水性ボールペン”。

搭載された新開発の「ZENTOインク」は、従来の水性ボールペンと比べて筆記摩擦抵抗を約40%も軽減しているそうです。

ペン先のボールと紙の間に“クッション”のような成分(POA界面活性剤)が入り込むことで、驚くほど滑らかな書き心地を実現しています。


実際にペンを走らせてみると、ペン先が紙に吸い付くような感覚。それでいて、顔料インクの線はくっきりと締まり、思考のスピードにしっかりとついてきてくれます。

三菱鉛筆いわく、インクに含まれる“引き寄せ粒子”の働きでインク同士が紙面上でまとまり、明瞭で美しい描線が残るのだとか。


ZENTOには「ベーシック」「スタンダード」「フロー」「シグニチャー」の4つのモデルがあります。私はその中から、ベーシックモデルとシグニチャーモデルを購入しました。

「インクが共通なら、どれも書き味は同じだろう」と思うかもしれません。しかし、軸の握り心地や重量バランスが異なれば、書き味のニュアンスも全く変わってきます。


特にお気に入りなのが、写真上段のシグニチャーモデルです。

軸の質感はもちろん、キャップのギミックがとにかく秀逸。

磁力によって「カチッ」と吸い付くように締まり、抜くときには絶妙な手応えがある。そして軸の反対側にキャップを収めた瞬間、まるで“書くスイッチ”が入るような感覚になるのです。

これはまさに、万年筆と同じ“作法”です。

書く前の所作が、思考の集中を促してくれる――。万年筆以外でこれほど豊かな体験をさせてくれるペンは、そう多くありません。


発売当初は品薄が続き、ネットでは定価の4倍近い価格で転売されていたこともありましたが、ようやく店頭で見かけるようになってきました。


正直、これ、かなり好きですね。

シグニチャーモデル
良さは実物を触ってみないと分からないかも


上:シグニチャーモデル
下:ベーシックモデル