2016年12月28日水曜日

この世界の片隅に


戦争を時代背景にした、広島を舞台にしたアニメーション映画と聞けば、
「はだしのゲン」や「火垂るの墓」を連想します。
そう思うと、とても辛くて、この映画から足が遠のいていました。

それでも評判が良いし、辛さとは別の映画だという話しも聞こえてきたので、だんだん観ようかなと思い、観ることに決めました。
と思いながらも、年末忙しいので延び延びになっていたのですが、先日レイトショーでやっと観ることができました。

観終わって呆然としました。
涙は出ませんでした。
そういう種類の映画でもなさそうです。
もちろん泣いている人もいましたけど。
帰り道、誰とも話しをしたくない気持ちになりました。

この映画に安易なコメントなどできません。

確かに、数日経ちましたので、このブログで私なりの分析もできそうです。
いかにも映画を観ています的な、気の利いたコメントも言えるかも知れません。
でも、コメントや分析をすればするほど、この映画の本質から離れそうです。

映画評論を職業にしている人の話こそ、先に聞かないでください。
彼らの評論は、すべてがそうかも知れないし、すべてが違うような気もします。

こんな体験は、映画ではとても珍しいです。
昔、コンサートで圧倒的な演奏を聴いて、呆然としたまま、誰とも何も話したくない気分で会場を後にした気分を思い出しました。

「コメントできないならブログなんか書くな」と言われそうですが、観ても良いと思っている人がいたらその人に「とにかく観てくれ」と言いたいだけのブログを今回初めて書きたいのです。

これは戦争映画ではないと思います。
彼女の生き方の環境に戦争もあったと感じています。
でも、それすらも、観た人それぞれの感じ方が違う映画のはずです。


できるだけ、誰かの解説は聞かず、読まずに、観てください。
だから、今回は「あらすじ」も書きません。

音響の工夫もあるので、できたら映画館で観た方が良いでしょう。
年明けに全国ロードショーが決まったようです。