2022年4月2日土曜日

開業費用を抑えるために友人と費用を出し合うことについて

 以下は30代のIさんからの質問です。昨年の東京ガイダンスで答えました。

「同じ職場の仲の良いF君も先日の土地家屋調査士試験に合格しました。そこで質問なのですが、開業するに当たって、少しでも費用を抑えるためにF君と開業費用を出し合って自宅で開業するという選択肢は現実的なのでしょうか。それとも資格の性質からして、最初から1人で責任をもって開業準備を進めていった方が望ましいのでしょうか。私もF君も今年度末に退職予定で、転職先は未定です。」


夢を語り合って、同じ目標に向かって一緒に頑張るという友人との合同事務所については、素晴らしいことだと思います。しかし合同事務所には論点がいろいろあります。毎回のガイダンスでも議論するところです。

これについては、直接お目にかかったときに、お二人の関係や方向性を伺ってからお話し致しますが、基本的にはやめておいた方が良いでしょう。

ご質問の中では、開業計画を単独でなく友人と一緒に進めることの理由が「少しでも費用を抑えるため」以外のことが書かれていません。

もっと具体的に議論を重ねて始めた合同事務所でも、長年うまく行く確率は非常に低いです。費用の問題だけなら、借り入れするとか何か別の手立てを考えて、できるだけ単独で開業した方が良いでしょう。

合同事務所を一緒に始めるのは簡単ですが、分かれるときは結構面倒です。これは結婚も同じですね。とにかく合同事務所は親子でも難しいことがあるようですので、基本的には単独で開業をめざした方が良いと思います。

違う理由があるのなら、個別に相談にのります。

それはさておいて、もっと気になる根本問題についてコメントします。

Iさんは、若いのにまもなく退職予定とのことですが、この試験に合格したためでしょうか。それとも合格と関係なく退職の予定だったのでしょうか。前者ならもうちょっと現状分析をしてから退職の判断をして欲しいと思います。

このメールだけですと土地家屋調査士業のスキルは書いていませんので、おそらく何もわからないのだと思います。

開業するということは趣味ではなく、プロとしてお客様に専門的なサービスを提供して、それに対して報酬をもらうことで生計を立てるということです。

最低でも、①お客様からの業務受託の見込みと、②そのお客様の依頼に対する専門知識と技能があり、③その専門サービスを提供するための事務所と設備、そして経営能力があること、が前提です。

このメールですと、設備等の費用を抑えることだけについて書いてありますが、他の部分は検討なさっているのでしょうか。その他の大切な部分の検討が何もされていないような状態での質問では、なかなか答えようがありません。

他の方からも伺うのですが、土地家屋調査士試験合格だけで舞い上がってはいけません。

土地家屋調査士試験の合格率は9%程度でしょうか。その数字をどう考えるかです。

何年もかかって合格しない人もいるのも事実ですが、とにかく10人に1人は合格する試験です。Iさんは一回で合格したのかも知れませんが、ここで決して舞い上がってはいけません。

ここからが本当の勝負です。プロとして生きていきたいのなら、より一層の努力が必要です。あなたのこれからの努力が少しでも無駄にならないように、私が効率の良い学び方を教えましょう。