仙台市で土地家屋調査士事務所を開業している鈴木修の個人ブログです。 2015年5月まで宮城会員や全国の土地家屋調査士の新人に向けて書いてきた「宮城県土地家屋調査士会の会長ブログ」を、そのまま個人ブログに引き継いだものです。 土地家屋調査士の制度や専門家としての事務所経営の考え方を書いてみたり、個人的な趣味や今考えていることについても書いていきます。興味のある分野だけ拾って読んでみてください。
2014年5月20日火曜日
アナと雪の女王
話題の「アナと雪の女王」を観ました。
気にはなっていたのですが、時間が取れなかったので、やっと観ました。
もちろん私1人です。ええ、おじさん1人です。
でも昨日今日のディズニーファンに言われたくないです。
私達世代は年季の入ったディズニーファンです。
子どもの頃に毎週放送されていた「ディズニーランド」を楽しみにしていたのですから。
「今日は「未来の国」「おとぎの国」「冒険の国」「開拓の国」の中のどの国かな。おとぎの国ならいいな」って願って観ていたんですから。
そのディズニーの手書きセルアニメで育った私ですから、最近のCGの3次元アニメはどうも馴染めなかったのです。特に人物はダメでした。
「昔のディズニーの手描きアニメはとても綺麗で、とても良かったのに」といつも残念に思っていました。
しかし、毎年毎年驚くほど技術が進んでいることは認識していましたし、いずれ本当に納得できる時代が来るのだろうと思っていましたが、今回の映画の出来を見てそろそろ納得することにしました。
あの肌の質感と表情、雪や草や水のリアリティ...
雪にしても柔らかい雪から硬い氷まで、とても素晴らしい出来映えです。
ここまで表現できるのなら、もう充分です。
最後に残ると思われた人物造形も、アナ達は感情移入できるほどの演技力を持った女優と言っても良いくらいの仕上がりでした。
さて「アナと雪の女王」ですが、この映画を「大好き」と言う人と「なんでこんなに人気があるのか?」という人に分かれているようです。
私は前者の方です。
おそらく、この映画がミュージカルだということが、その評価を分けるのだと思います。観客がミュージカルに何を求めるかで変わるのでしょう。
「物語が甘い」そういう批判もあると思います。しかしミュージカルに、そしてアニメに何を求めるかです。「もともとミュージカルは嫌い」と言う人も理解できます。
しかし私は、ミュージカルが好きで、舞台でも映画でも結構観ています。
だからミュージカルに寛容なのかも知れません。
古今東西の名作ミュージカルでも、オペラでも、物語のみを取り出して考えてみると、少々物語に難が有ると思えるものもあります。音楽を重視するあまり、物語に歪みを生じているものも有ります。
でも良いんです。
それがミュージカルですから。
この「アナと雪の女王」は、いくつかの耳に残る名曲があります。
これだけでもう充分です。もう名作ミュージカルです。
雪の女王であるエルサはもともと悪役と設定されていたようですが、あの名曲『Let It
Go』(ありのままで)を歌わすことになったので、完全な悪役ではなく主人公の1人に設定が変わったという話しもあるようですし。
耳に残ると言えば、映画から2日間は頭の中で『Do You Want To Build A Snowman』(雪だるまつくろう)が鳴り響いていました。
だから、これだけで名作ミュージカルなんです。
ストーリーを考えれば、前半は良くても後半の物語はあまりにも御都合主義に見えます。
悪人の登場は唐突では無かったか、
最後の魔法の解け方は簡単すぎないか、
とも思います。
良いんです。ミュージカルですから。
その中でも、ディズニーとしても物語を工夫していることは理解しています。
この魔法と女王が出てくる典型的なディズニー物語に、現代風な解釈を加えていますね。
悪人も現代的な悪人像ですね。悪いことをするのに理由を設定しています。昔なら悪いやつは理屈無く悪かったのですけどね。
そして今までのディズニーなら、アナは「彼」と結婚して物語を終えるはずですが、今回は結婚するかしないかまでは描いていません。今風ですね。
またエルサの魔法の能力が呪いによるものではなく生まれつき持っていると言うことと、最後までその能力が消えずに、むしろそれを晒して国民と幸せに共存するという方向性なんですね。
標準的な人間になるだけが幸せではないという、これが『ありのままで』であり、現代的解釈なんですね。
また、この映画の前の特別上映作品『ミッキーのミニー救出大作戦』も、とても良くできた短編でした。
モノクロの2D「蒸気船ウィリー」時代のミッキーの歴史を踏まえながらも、ディズニーが進化していることを現していました。
映画スクリーンを重要なファクターとして使いながら、ミッキー達がそのスクリーンの中から飛び出したりまた入ったりして活躍します。
スクリーンは映画そのものを象徴するものです。それを破って出入りすることで、昔と今のディズニーアニメ映画の方式を切り替えて、CGアニメの技術の大きな進化したことと、しかしディズニーの魂は変わっていないことを、明確に示していたと思います。
これは秀逸な短編です。
おそらく、また観に行きます。
だって3Dと2D、字幕と吹き替えの選択肢もあるし、
何と言ってもミュージカルの名作ですし。