昨日の東北ブロック主催研修会の午後の部は、元日本土地家屋調査士会会長西本孔昭先生による
「筆界特定制度運用の誤算」〜早くマスターして、次へ〜
と題した講義をお聴きしました。
ADRは今全国49会に設立されています。この段階に来て、また次の課題が見えてきました。その課題の整理とその対策を考える上で、ADRや筆界特定はもともとどのような理念で始まったのかを把握する必要があります。西本先生は、ADRと筆界特定制度の創設に関わった当時の日調連会長ですので、当時どのような環境で、どのような理念のもとで、ADRを進めたのかについて、一番ご存知の方です。
今回はそのお考えをお聞きし、考え方を整理したいという企画です。
先が見えない、とても心配だという方々、
今が最後のチャンスです
というフレーズで始まるレジュメでした。
久しぶりに「西本節」をお聞きしました。
司法制度改革においてやっと認識された
「隣接法律専門職」の意義
問われる相応しい努力
境界確定委員会の創設案を忘れてはなりません
境界確定委員会案がトーンダウンして筆界特定制度になりました
レジュメでもこれ以上書きづらいですね。まして具体的な細かい事はこのブログでは書くことは難しいです。
西本先生の講義を聴いた事のある方はご理解いただけると思いますが、誰でも読む事のできるこのブログでは、とても公開できる内容ではありません。西本先生の考え方は、会報「月刊土地家屋調査士」2月号に載るそうですので、そちらをご覧ください。
西本先生が日調連会長のころ、私も日調連の理事でした。
なにしろ熱い会長でした。
昨今、自分がなりたいだけの目的で手を上げる役員が多い中、西本先生は本当に土地家屋調査士の事だけ考えて会長になった方です。
勉強不足の役員を認めない厳しい方でもありました。誰に対しても「勉強しなさい」と言い、当時理事会で発言しない理事達を前に「休み時間にこの箱に全員意見を入れなさい」と言い放ったりしていました。
その西本会長が、ADRと筆界特定制度(本来は境界確定制度)という二つの境界紛争解決制度にかけた情熱は当時脇で見ていた私にもとても強く伝わりました。
私は若干意見が違うところも有りますが、西本先生は心から尊敬できる先輩だと思っています。
この西本先生が、もし今も日調連会長であったなら、ADRセンターや特別研修を、筆界特定制度や筆界調査委員を、どのように考えて、今どのように指導力を発揮していたか、見てみたい気もします。