2011年12月12日月曜日

第2回地籍問題研究会

先週12月10日(土)には第2回地籍問題研究会が、早稲田大学で開催されました。
今回のテーマは「東日本大震災の復興における地域再生と土地問題〜地籍の視点から〜」でした。
最近は、震災後の様々な行事や打合せと、自分の業務等々で、ほとんど休みがなくて動けない状態ですが、さすがにこのテーマですし、日帰り可能な時間割だったのでなんとか参加して来ました。
プログラムはこのチラシのとおりです。



中林一樹氏(明治大学大学院)や安本典夫氏(名城大学)の2件の講演がありました。
中林氏の「被害に本大震災の災害復興と切迫する二大震災の事前復興」では、「減災」を目的に、東日本大震災を含む過去の大震災に学び、想定される被害を軽減する方策をお話しされていました。「事前復興」という表現が印象的でした。 

安本氏の「特区制度と地籍・土地所有・利用法制の課題」では、12月7日に成立したばかりの震災特区法についてお話しされました。レジュメの段階では「特区法案」と書いている程のタイムリーなお話で興味を引きました。

その後で、4件の報告がありました。
国土交通省国土調査企画官の立場から長嶺行信氏が、法務省民事二課地図企画官の立場から西江昭博氏が、被災した立場から岩手県調査士会調査士会会長の菅原唯夫氏が、大津波で海没した登記簿を復旧させた専門家の立場から坂本勇氏が、それぞれ発表されました。
後日、皆さんのお話をまとめます。

その中で、岩手会の菅原会長が、現場を踏まえた上で「14条1項地図を14条4項の地図に準ずる図面に位置づけを変えられないか」という提案をされていました。この提案には私も賛成です。今回の地震や津波で精度を保てなくなった地図の位置づけを変えるのですから、誰も傷つく話ではないと思います。
また「被災地には教材がある」「被災地に地図、登記の研究所を直轄で設置できないか」という提言もされていました。被災地を見ていないと言えない言葉だと思いました。

岩手会菅原会長
最後はお決まりのパネルディスカッションです。上記の発表で時間が押してしまい、コーディネーターの松岡直武氏(日調連名誉会長)もまとめ難そうでした。


ただし、これだけのメンバーを集めたのですから、もともと盛り沢山です。
次回はメンバーの数を減らすか、午前中から開催して時間を増やすかして、一人一人の話をじっくり聞きたいと思いました。