では地震科学は何もできないのでしょうか。
予知ができなくても、想定はできます。
想定ができていれば、事前に心構えができて、対策ができます。
少なくても「想定外」ということにはなりません。
これがとても大切だと思うのです。
東日本大震災の際には、政府も学者も東電も「想定外」という言葉を使ってました。
想定外という言葉を使っている分には、自分たちの責任が免れるとでも言うようにです。
ですから想定できることが大切です。
私が最近の研修会で一番お伝えしたいことは、
「皆、心の中では、嫌な事は自分には起こらないと思っている」ということです。
理性では理解しているつもりでも、皆、実感を持っていないのです。
これが防災で一番悪い事です。本気にならないからです。
今回の原発事故対策で、すべて後手に回った事も、本気の対策をしていなかったからでしょう。
そんな中、本日27日に内閣府の検討会が、中間報告を出しました。
それによると、東海・東南海・南海の地震が連動したときの想定震源域を従来の想定の2倍に、地震の規模をマグニチュードを9.0に、引き上げました。
マグニチュード9.0は、東日本大震災が無ければ、絶対に今回の想定に入らなかったでしょう。
また、今まで震災が起こらないと考えられていた愛媛、香川や奈良、長野まで入っています。これは全国の皆さんが不安になるような報告です。
でも、リスクは多めに想定して丁度良いのです。
多めに発表しても、どうせ受け取る方は甘く受け取るはずですから。
対策は「起こるかもしれない」ではなく、「必ず起こる」という前提でないと、本当に役に立ちません。
政府も自治体も、土地家屋調査士会を含む各組織も、家庭も、個人も、日本列島に住むすべての人が、本気で対策を考えなければなりません。
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(写真:産経新聞) |