2014年10月13日月曜日

良い計画でも被災者は待てないことがある

今週「地籍整備と震災復興について」のお題を戴いて愛知で講演してきます。
本日はこの準備をしておりました。

あれから3年7か月経ったのですが、現地はまだまだ復興途中で何も収まっていません。専門家としてスッキリ理論的にまとめてお伝えしたいところですが、この段階で総括できる場面でもありません。
しかし、少なくても「現場では何ができて何ができなかったのか」「その違いは何に困って何が問題だったのか」「事前にやっておくべき事が有るとすれば何か」これなら専門家の視点としても被災地の住民の視点としてもお伝えできると思います。

さて、非常時は複合的な問題が発生します。ですから震災復興は単独の専門家だけでは絶対に進められません。平時もそうですが、非常時では特にたくさんの知恵を集めることが重要でした。宮城県でも以前ご紹介したように宮城県災害復興支援士業連絡会があります。

そして、それらの知恵を集めたら、最大の復興要件は覚悟を持った決断でしょう。
どんな問題でも同じでしょうが、特に復興の場面ではスピード感が特に重要です。
今回も時間がかかりすぎて、せっかくの計画が頓挫してしまったり陳腐化してしまったりしたものが有りました。

どんな計画でも反対者はいます。
問題は覚悟を持って、すぐにやることです。
2年3年と経つにつれ、反対者が増えてきます。
どんな立派な計画でも、様々な事情を抱えた被災者がその計画を待てなくなるのです。

とは言え、この遅れの責任については誰か特定の犯人がいるのではなく、政治、行政、復興業者、そして被災者さえも含めて、全員の小さな要因(都合・立場)が重なって、物事が進まなくなっているようです。

今回の講演もおそらく私に期待されている内容はなんとかお伝えできると思いますが、それ以外にこの「スピード感」や、いつも申し上げている「災害想定」「事前復興」「一体感」そんなお話しも含めて、お伝えしたいと思います。

東日本大震災以降ほとんど休んでいませんが「震災」関係の講演依頼はすべて断っていません。これが今のところ、私の果たすことができる被災地責任だと思っています。