2014年10月11日土曜日

プロミスト・ランド


少し前ですが、マットデイモン主演、「プロミストランド」を観ました。

大手エネルギー会社の幹部候補であるスティーヴ(マット・デイモン)は、マッキンリーという農場以外はなにもない田舎町に、仕事のパートナーのスー(フランシス・マクドーマンド)とともにやってくる。
マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されており、近年の不況に大きな影響を受けた農場主たちから、相場より安く採掘権を買い占めるためだった。
スティーヴは町の財政再建の救世主として迎えられたが、予期せぬ障害に行く手を阻まれる。
採掘に反対する科学教師(ハル・ホルブルック)と環境活動家(ジョン・クラシンスキー)が現れ町の人々を説得、採掘の賛否は住民投票によって決められることになった。さらにスティーヴは仕事への信念と情熱を根本から揺るがすような、衝真実を知ることになり・・・。
ふと訪れた町で、図らずも自分の生き方を見つめ直す必要に迫られるスティーヴ。果たして彼はどんな決断を下すのか?
(公式ページより)

「グッド・ウィル・ハンティング」のマット・デイモンとガス・バン・サント監督の社会派ドラマだから、面白いんだろうなと思う反面、あまり社会派過ぎて偏った主張の映画なら嬉しくないなと思いながら観ました。

なにしろ脱原発の流れの中のシェールガスの話しです。
シェールガスは原発代替のクリーンエネルギーと言われながらも、原発の設置と同じ問題を抱えています。そしてその掘削法について問題があるとも言われているからです。
そのシェールガスの採掘権を得るために貧しい町に入り込んでいく話しですから、とてもタイムリーな話題です。

大企業と田舎の住民との対比、環境保護団体の活動、地元の女性との大人の恋・・・
なんか先が見える展開だと思いませんか。
私は「想像通りならつまらないな」と心配しながら観ました。

しかし主人公スティーヴの後半に気持ちが変わる切っ掛けは、スティーヴにも映画の観客にも衝撃の事実でした。そこは想像できませんでした。

結論として、答えをどちらかに押しつけすぎないストーリーでした。
若干ホッとしています。
少なくても映画を観るときは、一方的な政治主張を聞きたい訳ではないですから。
おそらくアメリカでもタイムリーすぎて、政治的にも技術的にも結論が出しにくいのでしょう。
業界や政治家から、なんらかの圧力が有ったのかも知れません。

それにしても、ストーリー的にはもっと何かできたのではないかと思います。
これだけの社会テーマを扱っていながら、結末はとても個人的な理由になっています。
この映画は評判は良いようですし、私も面白いとも思いますし、お勧めです。
でも名作には成れないと思いました。

でも今更ながらマットデイモンは良い年齢を重ねていますね。