2014年6月12日木曜日

東日本大震災記録誌


全国の皆様のご支援のお陰で、被災地の土地家屋調査士は元気に復興に向けて頑張っております。地元はまだ何も解決していないという事実も有りますが、少なくても我々はもう大丈夫です。

震災の報道も減り、全国の皆さんの関心も薄れて来ましたが、私達地元の人間ですら記憶が薄れ始めている部分も有ります。だから私達が今やるべきことは、私たちの経験を風化させずに記録することだと思います。
それは誰かがやるのではなく、被災地の我々が体験したことを各々発信すべきだと思います。各自の被災体験は皆違うのですから。

震災の記録については、綺麗な文章で役に立つ教訓だけを語る必要は無いと思います。
突然の大震災に遭って何が出来て何が出来なかったのか、今振り返ると何をしておけば良かったのか、そんな経験をそのまま伝えるだけで、他の地域のお役に立てるはずだと思います。

ですから被災地の土地家屋調査士が発信することは、少なくても今後震災が起きるかも知れない地域の土地家屋調査士の為にはなるはずです。

そして私にも被災時の土地家屋調査士会の会長だったという事実があります。
その時に組織的に何が起こったのか、何に困ったのか、何を決断したのか、そのような部分を整理して全国にお伝えするのも、私の与えられた役の一つかと思っています。

さて今回、福島、岩手、宮城の土地家屋調査士会で「震災記録誌」を編纂しました。
2012年の「震災報告会」の内容も含んで、この3年間の出来事と今を、福島会の橋本編集委員長を中心にまとめました。
この記録誌は、全国の土地家屋調査士の皆様全員にお届けするために、2万部を印刷しています。お手元に届くまで少々お待ちください。

この記録誌は卒業記念アルバムではありません。このような被災地からの発信が、今回一度だけでは無く、また方式を変え、継続的なものにしなければなりません。
なぜなら被災は過去のものでは無く、現在進行形のものだからです。
そしてそれが全国からのご支援に対する被災地からのお礼と考えています。