「私は補助者経験がない」
これを言い過ぎたかも知れないと思い始めています。
何か個人で専門店を開こうとする人なら、たとえば板前になろうと思ったら修行は当然でしょう。
その場合、どこかのお店で学んだ方が効率が良いに決まってますし、下手な親方の元ならさっさと独立して別の修行もあるでしょう。
どちらにしても実力が付くまでは、「人並みの生活」を我慢しても、未来のために修行をすることは当たり前です。
でも土地家屋調査士や司法書士の資格試験に通った人は、何も達成していないのにそれだけで満足しているようです。
補助者での修行が厳しすぎて耐えられないと文句を言ったり、給料が安いと文句を言ったりする声が聞こえます。厳しく鍛えてもらうために補助者になったのではないのですか。まったく本末転倒でしょう。
私は確かに補助者経験がありません。
ただしその程度の覚悟なら、安易にまねしないでください。
補助者経験が無いのに開業するのだから、自らを律して他の補助者が毎日積み重ねている経験を凌駕するほどのトレーニングをすることが必須です。
独学は、本来他の補助者が下働きをしている時間も自分のためのトレーニングに当てられるから、効率よく実力を積み重ねられるメリットもあると思います。
少なくても、開業当時から私はそう信じて、ここまで間違いなくやってきました。
昼は毎日公園を測量していましたし、夜は毎日夜中までCADの練習をしたり、法律を勉強したりしていました。
そして私はプロですから、当然今も勉強を続けています。
私の経験を紹介しているのは、土地家屋調査士の開業には補助者経験が必須であると思い込んでいる人が「最近補助者募集が無い」と嘆いていたことに対して、「道は一つではないよ」とアドバイスをしたかったからです。
また補助者経験がリスクになることがあることも以前のブログで紹介しています。
でも補助者経験を否定するものではなく、良い事務所で補助者経験ができればそれがベストであることは言うまでも無いことです。
最近、補助者修行が面倒だからという理由で独立開業しながら、口だけは「頑張ります」と言って、まったく自分でトレーニングができていない後輩を見ることが増え、とても残念に思っています。
会社などの組織人の頃の「頑張ります」などの言い訳で済ましていたころの性根がまだ残っているのでしょう。
我々は誰にも言い訳ができない立場です。頑張っている経過さえ評価されません。最終的に実力がなければ何の評価もされません。
それなら誰かに指示に従っていればギリギリ評価される組織人に戻れば良いでしょう。
君は実力の世界を目指して組織から出たのではないのですか。
君は自分の未来を誰かに委ねるのではなく、自分で未来を創りたかったのではないのですか。
それなら今日君は何をしていますか。
何故君は動かないのですか。
*過去の関連投稿
補助者から独立開業する不安
試験合格後土地家屋調査士事務所で修行すること
事前にシミュレーションすること
再度、経験は作るものです。
「調査士一本でやるのは難しい感じがするんですが?」に答える