これは滋賀県土地家屋調査士会の元会長加古先生から教えて戴いたお話しです。
近江商人の商いは
まず「売り手に良し」
次に「買い手に良し」
そして「世間に良し」
売り手だけが良かったという取引ではダメ。
お客様からも良かったと言ってもらえる取引でなければなりません。
その上で、その取引が世間にも良くなければならないのです。
最近は日本でも「自分だけ良ければ」という商売が目に付きます。
期限切れの商品の日付を変えたり、強度不足の建築設計をやったり、お客様の命さえどうなっても良いという商売があります。
困ったものです。
この「近江商人の三方良し」は、私の新人研修でもお伝えしている言葉です。
さて話変わって、ご存じのとおり私はApple信者です。
毎年Apple製品を、とりあえずお布施のように買い続けることが最低のミッションです。
その信者の楽しみは、年に2~3回ある発表会という名の布教活動です。
今朝11日未明の午前2時、そのApple教のミサが開催されると言うことでした。
今回のミサでは、あのdocomoもついにApple教に転ぶという報道も有りました。
私は聖地クパチーノ方向に向かって正座して、そのお告げを待つつもりでした。
そんな日の前日10日の18時頃に私のau iPhone に電話が来ました。
au「もしもし、こちらauですが、お客様にとって、とてもお得な携帯プランがあるんですが・・・。数分お時間よろしかったですか?」
私「(よろしかったって過去形?)。今、このタイミングの提案ですか。私はiPhoneについて今晩の発表を待つつもりですが」
au「えっ?」
私「今晩2時からの発表会で新しいiPhone5sを見て、それから通信各社の乗り換えプランの発表を待つつもりです。auにそれほど電波の優位性が見られないし」
au「そうなんですか・・・」
この電話のアルバイト君は本当に知らないかもしれません。
しかし会社として、新型iPhoneとdocomo参入の発表の8時間前に、新しい縛りをかけようというのはフェアでは無いと思います。
この電話による提案は、auにとって「とてもお得な提案」であり、断じてお客様にとって「お得」な提案では無いはずです。
せめて発表の報道があった1ヶ月前程度の電話なら大目に見ますが。
通信会社のサバイバルがかかっていることは充分に理解できます。
しかしお客様に対する誠実さを失ったらサバイバルはできないと思います。
この電話を指示した会社の上司(と、我が業界の一部)は近江商人に学ぶべきだと思います。