2011年7月8日金曜日

彼が行きたかった柏戦は明日

Jリーグの戦いは3月5日に開幕第1節を終えて、第2節は3月12日に開催される予定でした。
そして、その前日の3月11日があの大震災でした。
東北はサッカーどころではなくなり、その後のリーグ戦の予定が白紙になりました。

我がベガルタ仙台は、練習もできる状態ではないので一時的に解散しました。
その間、選手達は被災地でボランティアをしたりして過ごしていました。あの日本を代表するフォワード柳沢敦選手も、一ボランティアとして登録し、実際に被災地で頑張ったそうです。ちなみに受付で「どなたですか?」と尋ねられたそうですが。

Jリーグは、その後の4月23日に第7節から再開されました。
ベガルタ仙台は、他チームに比べて練習不足を抱えながら、再開幕に臨みました。
サポーターとしては、結果はどうなっても、またサッカーが見られる日常を取り戻せたという喜びで一杯でした。避難所からスタジアムに駆けつけたサポーターも沢山いました。私は、選手が入場する際に歌うカントリーロードだけで涙が出ました。

選手達も相当な覚悟で試合に臨んでいたようです。
先日の暑い中の戦いでも「辛くても俺たちは90分で終わる。被災者の辛さは何年も続くんだ。」と言って選手は死力を尽くしました。スポーツでは、精神的な強さが玉際の一歩を変えます。我がベガルタ仙台は、驚異的な精神力で、開幕から12試合負け無しの記録を作りました。
現在のところJ1リーグで第3位という好位置に付けています。まだ順位に一喜一憂する段階じゃないと分かっていますが、嬉しくて嬉しくて。

さて、失われた第2節から第6節は、この7月に振り替えて開催されます。
明日7月9日は第3節で、アウェイで柏レイソルと戦います。
あのサポーターの彼が行きたかった柏戦です。
あの震災直後には想像もできない首位と3位との戦いとして、そしてベガルタ仙台が勝てば首位になる可能性のある戦いとして開催されます。彼も楽しみにしているでしょう。

この世に残った人間としての幸運を噛み締めながら、私はテレビ観戦ですが、彼と共闘したいと思います。