2011年3月31日木曜日

Q&A被災地支援マニュアル その3 条件付支援

Q)「近くの人土地家屋調査士にも配ってね」と何軒分もの支援物資を送りましたが。

A)一般論として条件付きの支援はしない方が良いと思います。その処分方法は、支援物資をもらった方が判断すればよいと考えます。

解説)
支援する方は何気ない会話でも、支援をいただく方は条件と捉えることが有ります。
支援物資を渡したら、その方がどう使おうと関知しないことが原則です。

たとえばこの設問のように物資を手渡したら、もらった方は「何としても近所の土地家屋調査士に配らなければならない。」と考えます。
平時なら、まったく問題の無い言葉です。
でも被災地では、何気ないその言葉は、酷な場合もあるのです。

「ガソリンがない中で、また近所の方もどこにいるか分からない中で、なおかつ自宅の水も汲みに行かなければならないのに、どうすれば届けられるのか。」と悩むことも有るでしょう。
「でも配らないと、自分もその物資に手を付けられない。」と考えてしまうかもしれません。

私たち宮城県土地家屋調査士会の対策本部も、全国からの支援物資の配布方法は当方で判断させてもらうと決めて、動いています。
その時その時で、必要な物資と必要な人が変わるのです。
土地家屋調査士以外でも、目の前に困っている方がいたら、当然助けます。

私達も「近所の土地家屋調査士に届けてね」と頼んだことはあります。
でもそれは、無意識の条件ではなく、細かく確認してからのものです。
県内の各支部内で、本当に動ける人を確認して、しかもガソリンを渡して、更に近所に配る余裕があるかを確認したうえで、頼みました。
しかも、「そうは言っても、何か事情があったら、全部あなたの判断でどこに廻しても良いですよ。」と添えて頼みました。

この条件付きは、無意識で発する言葉にも含まれていますので、ご配慮をお願いいたします。