2010年12月11日土曜日

信頼にかかるコスト

先日京都会の中邨明生さんから紹介いただいた話です。
ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
私もダイジェストで知っていましたが、実はこれだけ長い話だったのですね。これは「信頼にかかるコスト」を語っているのですね。
私達の業界にも通じることでしょう。


かつてビル・ゲイツはこんなことを言ったそうです。
もしGMがコンピューター業界のような絶え間ない技術開発競争にさらされていたら、
私たちの車は1台25ドルになっていて、燃費は1ガロン1000マイルになってい たでしょう。」

これに対し、GMは次のようなコメントを出したと言われています。
「もし、GMにマイクロソフトのような技術があれば、
我が社の自動車の性能は次のようになるだろう。」


1 特に理由がなくても、2日に1回はクラッシュする。

2 ユーザーは、道路のラインが新しく引き直されるたびに、新しい車を買わなけれ ばならない。

3 高速道路を走行中、ときどき動かなくなることもあるが、これは当然のことであり淡々とこれをリスタート(再起動)し、運転を続けることになる。

4 何か運転操作(例えば左折)を行うと、これが原因でエンストし、再スタートすらできなくなり、結果としてエンジンを再インストールしなければな らなくなることもある。

5 車に乗ることができるのは、Car95とかCarNTを買わない限り、1台に1人だけである。
 ただその場合でも、座席は人数分だけ新たに買う必要がある。

6 マッキントッシュがサンマイクロシステムズと提携すれば、もっと信頼性があって5倍速くて、2倍運転しやすい自動車になるのだろうが、全道路のたった5%しか 走れないのが問題である。

7 オイル、水温、発電機などの警告灯は「general car fault」という警告灯一つだけになる。

8 座席は、体の大小、足の長短等によって調整できない。

9 エアバッグが動作するときは「本当に動作して良いですか?」という確認がある。

10 車から離れると、理由もなくキーロックされてしまい、車の外に閉め出されることがある。
 ドアを開けるには、ドアの取ってを上にあげる、 キーをひねる、ラジオアンテナをつかむ、という操作を同時に行う。

11 GMは、ユーザーのニーズに関わらず、オプションとしてRand NcNaly(GMの 子会社)社製の豪華な道路地図の購入を強制する。もしこのオプションを拒否すると、車の性能は 50%以上も悪化する。そして司法省に提訴される。

12 運転操作は、ニューモデルが出る毎に、はじめから覚え直す必要がある。なぜ なら、それ以前の車とは運転操作の共通性がないからである。

13 エンジンを止めるときは「スタート」ボタンを押すことになる。

14 ドライバーは運転席に座るのではなく、装着(インストール)させられる。

15 「この車を利用しておきたいかなる場合の障害、損害に対してもGMは責をおわない。」という契約に同意した場合のみ、このドアの封印をやぶってください、となる。

16 車がいつどこで突然とまろうが、暴走しようが、はたまた雨漏りしようがそれらは「仕様」である。