Kさんは、散歩していて、「この道は、セットバックされた後の道なのかも?」って思ったのですね。
良かったです。散歩の中で、そういうところまで気が付くようになったことは、既に経験値が上がり始めている証拠です。
土地家屋調査士試験合格者のKさんには、実務経験を積むために補助者修行をお勧めしていますが、それでも補助者になったから当然に経験値が増えるのではないのです。
補助者として実際に担当する業務だけでは、たいした経験値にはなりません。
その担当した業務経験を、常にどこまで膨らませて学習するかを意識することです。
それが無くて土地家屋調査士の本職になっても、やはり経験値が飛躍的に増えるわけでもないはずです。
とにかく、その人の普段からの意識の問題が大きいのです。
私達は不動産の調査や分析や手続きの専門家です。
道を歩いていれば、土地も建物もたくさんの不動産に出会うことができます。
それを意識的に見るのです。
時間も費用も特にかかりません。
歩きながら、目に入る不動産が法的にどんな意味があるのかを考えるのです。
普段からそんな意識で道を歩いていて、何か違和感があったら帰ってから調べておけば良いのです。
そういう習慣を付けていれば、たいていの問題は解決済みになり、実際の業務受託時に驚くような案件はほぼなくなります。
皆さんの資格試験の勉強を見てても思います。
与えられたものだけで経験を積もうと思うから、ちょっと捻った試験問題が出ただけで、皆さん「新傾向だ!」って騒ぐのですよ。
覚えた過去問を反射的に答えているだけで、法律的な脳を育ててないから「新傾向」って言い訳になるのですよ。
不動産登記法の中での設問なら、新傾向も何も、当然試験範囲でしょう。
そんなこと言ってると、Kさんが開業したら、事務所に持ち込まれる業務は、毎日新傾向になりますよ。
もちろん、反復継続の単純業務だけでないから業務は楽しいのですが。