先日の鈴木修塾(土地業務)では、土地境界立会についての典型的な例をいくつかの分類にしてシミュレーションをしました。
そして、それぞれのケースに個別具体的にどのような説明(対応)をしていくかを「具体的な台詞」を含めて解説しました。受講された皆さんは、境界立会確認がとても不安だったようで、かなり好評でした。
さて、今日は土地家屋調査士の新人の皆さんへ、境界立会における隣地所有者の方々についての考え方を総論的にお話しします。
境界立会は、土地家屋調査士としての重要な業務の1つです。しかし、初めての経験であれば、隣接地所有者の方々との対応に不安を感じるかもしれません。
「隣接地所有者が恐い」という新人も少なからずいます。
しかし、その人たちは敵ではありません。彼らは知らない土地家屋調査士から境界立会を依頼され、むしろ彼らの方が怖がっているのです。
彼らが土地家屋調査士との接触に不安を感じる理由は、土地家屋調査士にとって当たり前のことが、彼らにとっては「財産が侵害される恐れがある」と思えるからです。
ですから、隣接地所有者の方々に対しても、立会前のご挨拶時に誠意を持って丁寧に分かりやすく説明することが大切です。
正しい知識を持っている土地家屋調査士として、隣接地所有者の皆様に不安を与えずに境界立会を行うためには、信頼関係を築くことが重要です。
実際の境界立会には、土地家屋調査士として、技術的な説明をすることはもちろん大切ですが、同時に隣接地所有者が理解しやすい言葉で説明することも重要です。
そして、相手の気持ちに寄り添いながら、問題解決の方法を提案することが求められます。境界立会は隣接地所有者の皆様のためにもなるのですから。
また、境界立会後に丁寧なアフターフォローを行うことで、お客様や隣接地所有者の皆様との信頼関係を維持することを心がけましょう。
お客様が業務のリピーターになってくださるでしょうし、あなたが敵だと思っていた隣接地所有者がお客様になってくださることも、我々には本当によくあることですから。