装飾の施された美しい軸と紡錘形のペン先を見たことがあるでしょう。
ガラスペンは、最近のインクブームの中でとても重宝され、見直されているペンでもあります。
これは西本元日調連会長からいただいたものです |
今、様々な美しい色のインクが発売されています。
それらのインクの美しい色を楽しむために、ガラスペンならペン先を水で一瞬で洗うことができるので、次々とインクの色を試すことができるのです。
昨今の文具ブームで手書き文具が見直されている中で、ガラスペンを知らない世代にそのペン自体の美しさも受けているのでしょう。
今は趣味性の高いペンという位置づけですが、実はガラスペンは昔から実用品として使われていたペンなのです。
輸入ペン先がとても高価だった頃、その代用品として、日本の風鈴職人の佐々木定次郎氏が作り始めたと言われています。
私は、以前登記官がガラスペンに墨汁を付けて登記用紙に記入しているところを見たことがあります。今のガラスペンの形状ではなく、竹軸にガラス製のペン先がついているものでした。公務員が使っていたのですから、安くて実用的だったのは間違いありません。
さらに、ペン先に数本の溝があり、その複数の溝でインクを吸い上げますので、一般的なペン先よりもたくさんの文字を書くことができます。一回インクを付けたらハガキ1枚程度は書けるインク保持能力があります。
私は、本当に使えて比較的リーズナブルな竹軸のガラスペンを捜していたのですが、佐々木定次郎氏の製法の流れをくむ佐瀬工業所が竹軸のガラスペンを販売していることを知り、今回注文しました。
太字・中字・細字の3本セットです。
竹軸に貼られたラベルもレトロデザインで良いですね。
ペン先は紡錘形で、8本の溝があります。
字の太さはこんな感じです。
細字が一番活躍しそうです。
弱みは、ガラスですから破損しやすいことです。
強みは、強酸性インクや顔料インクでも詰まらずに書くことができること。
上記のとおり、一回のインク補充で長く書けること。
様々なインクを頻繁に替えて書きやすいことです。
歴史的な文具としても押さえておきたいペンです。
私は買って大変満足しています。
興味のある人は一本持っていても良いでしょうが、ガラスペンは外国製の粗悪なものも多いので、安いだけで買うのはお勧めしません。信頼できるところから買いましょう。