2019年3月18日月曜日

仕事の範囲を自分で狭めている後輩へ

以下はある研修会の後でいただいたメールです。
研修会のテーマは「土地家屋調査士のグランドデザイン」でした。
その研修会の懇親会での話です。
研修会の後の懇親会では個人的な質問に答えることが多いのです。

以下Sさんからのメールの抜粋です。

(略)
特に印象深かったのは、研修会後の懇親会で、戸籍の話をしていたときのことです。
私が、戸籍の取得は司法書士にお願いする(自信があまりないのと、周りもそうやっているから)という話をしたときに、先生が「時間をかけずに一気にマスターしたければ、授業料を支払ってもその司法書士に教えを乞う方法もある」という返答をされたことです。
「自分で自分の業務を狭めている」ということもお聞きしました。
今思えば、調査士のグランドデザインどころか、自分の事務所のグランドデザインも考えておらず、あえて自分で業務を狭めていた、ということに気づきました。
(略)

Sさんは、それなりに受託業務が増えているようです。
そのSさんは「相続に関する書類(戸籍等)は慣れていないので、司法書士にお願いしている」と言いました。確かにそれでも仕事は回るでしょうし、楽でしょう。
ただし、忙しくて他人に頼むのと、わからなくて他人に頼むのはまったく違います。
周辺知識が増えることでお客様の相談に答える能力が多面的になってくるのです。
あらゆる質問に適格に答えることができる人に仕事の依頼が来ます。
まして、相続証明書は周辺知識ではなく、表示に関する登記においても当然の添付情報であり、土地家屋調査士の当然の知識です。その収集整理を他の資格者に依頼していることで、自分の未来を狭めていることに気が付かないのでしょうか。

私が常に新人にお話ししていることは、この業界に入ったのなら業務は自分で拡大すべきということです。
専門家は、専門家でいるために常に勉強をし続けなければなりません。
サラリーマンではなくて自営を選んだということは、そういうことだからです。
それなのに、自分の能力を磨かずに、誰かを頼りにしているというか、上手くいかなければ誰かのせいにしているような後輩が多いということが残念です。

「今、食えるから勉強しない。だって忙しいし、必要ないし」って思っているのでしょう。それは、あなたの事務所のグランドデザインがないからです。
勉強は暇になったからと言って、できるものでもありません。
忙しくてお金があるときでないとできない勉強も多いのです。

頑張ってください。応援しています。