2011年7月25日月曜日

ふるさとへの帰りを待てる期間は?

原発で汚染された我が家にいつ帰ることができるのか?
つらい疑問です。

汚染された我が家は、汚染されたふるさとに有ります。
住家だけでなく、生活、文化、就業、すべてでふるさとです。

本当に帰れないのなら別の土地に動く決断をしなければなりません。
でも「5年待て」と言われたら待てるかもしれません。
残念ながら、その目処を知らせてくれる人は、今の日本には誰もいません。

本日の日経新聞に以下の記事が有りました。

帰宅待てる期間「1~2年」41%
福島・大熊町が住民調査
早期帰宅希望が最多
2011/7/25 11:50  

記事では、福島第1原発の警戒区域に全域が指定されている福島県大熊町の町民アンケートを紹介していました。

その中で「最大何年待てるか」というアンケートの問いに

半年以内・・・・・・・9.0%
1~2年以内・・・41.7%
3~5年以内・・・19.7%
10年以内・・・・・・・5.1%
いつまででも・・・13.2%、

このアンケートの難しさは、「実は何年かかる」という重要な前提条件がないことです。
たとえば「○年で安全になる」と国が答えている前提なら、このアンケートの答えも変わってくると思うのです。

日本人は本当に我慢できる国民です。今回の震災でも実感しました。
被災者は我慢しています。支援者への気遣いすらしています。
だからこそ、被災者は明確な答えが欲しいのです。
曖昧な希望はかえって被災者を不安にさせます。
できないことは「できない」と明確に答えが有れば、できる中で希望を見いだします。
耳障りの悪いことを隠す、または耳障りの良いことだけを言っているリーダーは、特に危機の際には不要です。
これは、どんな組織でも言えることです。