2022年11月9日水曜日

2023年の(土地家屋調査士)鈴木修塾について

私が全国各地で開催している「土地家屋調査士事務所開業・経営ガイダンス」は、その講義を3時間から4時間で行っていますが、これは土地家屋調査士事務所を開業したい人に対して、その人に合った考え方のヒントと方向性を示すことが目的です。

以前のブログでも書いたように、このガイダンスで方向性を確認できた人は、その後各地の土地家屋調査士事務所において補助者修行などで力を付けて欲しいのですが、私のところに来る相談や報告のメールによると、様々な事情で補助者勤めができない方も多いようです。

補助者を雇いたいという事務所が近くに無い等の理由だけでなく、高齢だとか女性だとかの理由で雇用が難しいこともあるようです。あるいは、ご自身の事情として、小さな子供を抱えているので勤務時間にどうしても制限があるとか、定年前後に合格したので今から補助者修行をしている時間がないと考えている方々からもお便りをいただくこともあります。

また、既に司法書士事務所や不動産業を経営しているので、今から補助者勤めをすることは現実的にできない等の理由もあるようです。

また、補助者勤めをしている人達でも、今の事務所では土地家屋調査士業務のほんの一部分しか従事していないので、業務全体の能力が身に付かない人達も多いようです。

確かに私の知人で、いろいろな仕事に触れられると勘違いして法人勤めを希望し、結局、毎日建物の敷地調査しかしていなかったという人を知っています。それでは何年勤めても土地家屋調査士になることはできません。

さらに何年補助者をやっていても、営業や見積計算、業務受託や業務管理などの事務所経営や運営などのノウハウは一切教えてくれないことも多いです。

そんな中、鈴木修事務所で補助者として学びたいというお話をよくいただきます。嬉しいお話ですが、皆さん全員を雇うわけにはいきません。それなら、ガイダンスで私がヒントを渡すだけではなく塾を開いて本気で教えましょうかと思い、昨年から「鈴木修塾」を始めました。

受講者の人数を絞り、ワークショップも含めて、生きていくノウハウをもっと具体的に、もっと深く、鈴木事務所の具体的なノウハウをお渡しする「土地家屋調査士アドバンスコース」にしたいと考えています。

本来は、一流の土地家屋調査士を目指して1~2カ月程度合宿して教えたいのですが、皆さんも長期の休みは取れないでしょうし、さすがに私も現役の土地家屋調査士ですので、そこまでの時間は取れません。

また一方「ひととおり業務はできるが、事務所経営に自信がない」とか、「建物業務はできるが土地だけ学びたい」とか、「現在司法書士なので、業務拡大のためにまずは建物業務だけ学びたい」などのニーズも有るでしょう。


具体的には来年も以下の講座に分けて「塾」の開催を予定しています。


1.「事務所経営・運営」(土地家屋調査士事務所経営~開業から運営まで)

2泊3日の合宿形式。

合格しただけで実務を知らない方こそ歓迎します。開業したいときに何から始めれば良いのか。皆さんが一番苦手な部分です。業務処理ができても経営が分からなければ事務所は潰れます。

組織を離れて個人事務所を経営することについての戦略、営業や業務受託のコツ、受託に結びつく見積のコツ、報酬額計算の方法と売掛金回収、業務管理と事務所運営等々を、具体例を基にリスクの少ない方法で教えます。

塾を受講される方は、できればこの講座から聞いて欲しいと思います。先に戦略があるからこそ、各々が何を学ぶべきかが決まってくるからです。

令和の時代は、昭和の時代とは環境も技術も違います。皆さんが学んだ事務所のノウハウで、今から開業しようとしても、通用しないことも多いです。

この講座は、女性や定年前後に合格した方にもぜひ聞いて欲しいと思っています。

もちろん、ベテランの方でも事務所経営をもう一度考えてみたいという方も歓迎です。今年も土地家屋調査士開業30年以上の方も受講され、お役に立てたようでした。

  日時(決定):令和5年1月20日(金)~1月22日(日)

  場所(決定):エスポールみやぎ (仙台市宮城野区)

昨年は東京開催でしたが、受講者の皆さんは全国から参加されました。経営塾と建物塾のどちらにも参加された方々に意見を伺うと、安価な宿泊料なのでトータルで安くなるということや、夜中まで議論できる合宿形式を考えると、総合的にはこの会場の方が良いという意見が多かったので、今回は仙台で開催します。

まもなく募集開始します。


2.「土地業務」(裁判に耐えうる筆界の調査確認方法と具体的土地業務)

約2か月間のLINEグループによるワークショップと3泊4日の現場も含む合宿形式。

裁判に耐えうる筆界の調査確認方法と具体的土地業務。

土地業務というとすぐ「測量ができれば」と考える方が多いですが、測量ができるのは当たり前です。私達の資格は国土交通省ではなく法務省傘下の資格であることを考えれば、身に付けるべきノウハウは測量以外の部分がとても大きいです。

各種資料(書証)の理論と調査方法、地形地物など(物証)の見方、隣接地所有者との立会(人証)のコツや分かりやすい図面の描き方、トラブル対応方法などをお伝えします。

  日時(予定):令和5年4月13日(木)~4月16日(日)

  場所(予定):エスポールみやぎ (仙台市宮城野区)

もうすぐ募集開始します。


3.「建物業務」(建物だけに特化した場合の経営。建物でも差別化できる考え方)

約2か月間のLINEグループによるワークショップと3泊4日の現場も含む合宿形式。

建物だけに特化した場合の経営と営業方法。建物で他の事務所と差別化できる考え方。

各種建物調査も含めた具体的建物業務。

  日時(未定):令和5年6月中のいずれか (木)~(日)の3泊4日を予定

  場所(予定):エスポールみやぎ (仙台市宮城野区)

ある程度人数がまとまれば早めてもよろしいですが、今のところ6月開催予定です。今年中にご案内いたします。


来年の塾のスケジュールは以上のとおりと考えています。会場等の調整を終えたら、まもなく受講者の募集を始めますので、ブログに注目しておいてください。

土地家屋調査士としてまったく初心者からベテランの方まで、どの段階の方にも必ず役に立つ自信があります。詳細は受講された方々の評判を聞いてご判断ください。