先日お知らせしたとおり、1月23日に計画していた「土地家屋調査士事務所・開業・運営ガイダンスin東京」が、緊急事態宣言が出る程の新型コロナウイルスの蔓延のために中止します。
それに伴い、ガイダンスに参加申込みの方々のために個別のガイダンスを始めておりました。
私自身も結構忙しくしているので時間のやり繰りが難しいところもあり、参加希望者とお互いの日程調整をしながら少しずつ対応しているところです。
実際に皆さんと一人ずつじっくりとお話をしていると、業界の補助者でいても業界と業界周辺の仕事の流れについて何も理解していない方が多く、このまま開業させたら失敗しそうという心配があります。
私は「土地家屋調査士の資格だけで食べていける」と言ってきましたが、イコール「資格を取れば」ということではありません。
試験合格程度の知識だけではどうにもなりません。ここだけは断言しておきます。
試験合格はスタートのはずなのに、合格しただけでゴールのつもりの方が結構います。おそらくサラリーマンの方が勤めながら何らか資格を取っただけで会社から資格手当として増額されるようなイメージなのでしょうか。
独立系の資格ではそれはありません。資格は開業の許可条件であって、お客様のお役に立てる実力が備わっていなければ、資格があってもまったく収入にはなりません。
弁護士など他の資格者を見ても理解できると思います。資格を取っただけの弁護士に自分の訴訟の代理をお願いしますか。
土地家屋調査士が必要な実力とは業務周辺のあらゆる相談に対応できるということであり、手続きの書式を知っているとか測量技術を持っているとかのレベルではありません。そんなレベルなら他の業者の下請的な立場になるでしょう。
土地家屋調査士として生きていけるレベルの知識の習得方法もガイダンスでは教えてきました。ただし、その方法もその個人の資質や環境によっても皆違ってくるので、やはり実際にお目にかかって、その方をしっかり見ながらお話ししたいと思っています。
今回の個別ガイダンスを受講した人の中に、3年前にも教えた人がいました。確かに彼は少し進歩していましたが、もう少し中間でアドバイスをしたかったと思いました。
やはり私のガイダンスはもっと回数を多く開催して、同じ人に複数回フォローする必要も感じました。
ただしあまり理想を考えると、私個人の身が持たないことにもなりますので、このコロナ禍の機会に、土地家屋調査士をめざす人達にとって効果的な方法として、ガイダンス以外にも何か考えたいと思います。
試験に合格しても勉強は止めてはいけません。しかも開業したら一生勉強になります。
勉強は確かにしんどいかもしれません。でもあなたは自分に自信があるから受験しようと思ったのでしょう。自信がある人なら、年功序列の世界で生きるのは嫌でしょう。だったら頑張りましょう。
実力の世界は気持ち良いですよ。