2016年7月10日日曜日

事務所開業をためらう理由

土地家屋調査士開業ガイダンスin福岡の後にたくさんのメールをいただいています。

以下抜粋です。

「前へ進む勇気を与えていただいた思いと、できる事を実行できないでいた自分の考えの甘さを反省も致しました。
初期投資を抑えることも必要ですが、必要なコストを惜しまないことも大切なこととして自分のできることを明確にしていこうと考えています。」

この内容について、開業をめざす皆さんに少し考え方を説明します。

皆さんが事務所開業をためらうのは、実力がないこと、開業資金がないこと、業務受託するコネがないこと、の3つが主な理由のようです。


<実力がないこと>
これは、この3問の中で解決が一番簡単なことです。
相手も無いことで、自分だけの問題ですから。
業務に自信がなくて困っている人は、おそらく「空から実力が降ってくることを待っている」のでしょう。
待っていても降っては来ません。
実力を得るには、毎日トレーニングをすれば良いだけです。
学生時代の部活と同じです。
誰かに教えてもらうまで待っていないで、今できることがあるでしょう。
睡眠を削っても、法律書を読み込み、測量等の練習をしましょう。
私も最後まで教えてあげたくても、
トレーニングしている人にしかコーチの言葉は伝わりません。」


<開業資金がないこと>
皆さん開業資金で悩んでいるようです。
その方は、いくら持っていれば開業できるのかを自分の言葉で答えられますか。
ネットを検索して「〇百万円かかるらしい」と鵜呑みにしていませんか。
個人業はすべて自分で判断しなければなりません。

確かに、事務所開業について、費用を考えてみると登録諸手続、事務所、設備等々、とてもたくさんの費用がかかりそうです。
土地家屋調査士事務所にお勤めの方なら、事務所にどれだけの設備があるか具体的に理解しているでしょう。
しかし、開業したての方がそれらすべての設備が必要でしょうか。
しばらくの間、使わないものもあるでしょう。使わないものをリースして固定費を増やすことは避けるべきです。その見極めも必要でしょう。

必要なものでも、最初から購入せずに必要なときだけレンタルするという選択も有って良いと思っております。
リースを必要時だけのレンタルにすることで、固定費を変動費に変えることができます。

それとは別に、実力を付けるための費用は惜しんではいけません。
専門書は高いと言っても、他の費用に比べたら桁違いに安いでしょう。
必要だと思う本があったら全部買いましょう
研修を受けるための費用も惜しんではいけません。
「勉強は事務所経営についての一番確実な投資」ですから。


〈コネがないこと〉
コネがないことで、開業後の営業が困ると思っているのでしょう。
専門家として仕事を受託するということは、一般企業の営業とはまったく違うプロセスで受託すると、私は考えております。

問題はそこではないと思います。
ほとんどの新人は何のコネもありません。
また、不動産という大きな財産を扱う資格です。
コネがあったから受託できるほど簡単なものでもありません。
このブログで以前からお伝えしているように、この解決方法は
とにかく実力をつけること」、それに尽きます。


ガイダンスでは個々の質問に合わせたもう少し丁寧な説明をしていますが、最終的にはこのようなことをアドバイスしています。
詳細は、またどこかで開催するガイダンスをお聴きください。

結局全部「実力をつけるためにトレーニングすること」ですね。
当たり前なんです。
専門家ですから。