2016年7月13日水曜日

熊本地震復興支援のこと

熊本地震から明日(14日)で3か月です。
(大分を忘れているわけではありません。「熊本・大分地震」と呼ぶ方もいらっしゃいますが、気象庁発表の名称の「平成28年(2016年)熊本地震」に合わせただけです。)

先月末、熊本に地震対策の支援に行ってきました。
がれきを運ぶボランティアではありません。
東日本大震災を経験した東北の被災者として、土地家屋調査士として、また被災時の土地家屋調査士会の会長として、体験したこと、考えたこと、理解したことをお伝えしたいと思ったのです。

震災復興において、何が起こったのかと、今後何が起きるかと、個人として組織として今何をすれば良いのかとを、経験者として具体的にお伝えしたいと思いました。
私達の業界が直接役に立つのは、もう少しだけ先になります。
でも、間接的なら今でもやることはたくさんあります。
だから、このようなことをお伝えしたいと思って、熊本県土地家屋調査士会の皆さんの会議に2日間参加させていただきました。


天下の名城、熊本城の遠景です。とても残念です。近づくことができませんでした。

道路の先が崩れた石垣でいっぱいで、通行禁止でした


土地や建物に関する法的問題は、東北と同じものと新たなものがありそうです。
この土地や建物に関する法的問題については、差し支えない範囲で後日書かせていただきますが、とにかくお気の毒な状態でした。

全国の皆さんは、熊本地震をどのように捉えているでしょうか。
ニュースに出る頻度が減りました。
ボランティアも減ったようです。
おそらく「もう大丈夫だ」という風潮でしょうか。

東日本大震災でも書かせていただきましたが、「ニュースは昨日と違うからニュースになる」のです。
東北も東日本大震災から5年と4か月、まだまだ復興に時間がかかっています。
頑張っているのは住民だけではありません。
被災した町のために、自分の職を離れ、遠方から被災町役場の職員として復興に尽力されている方々も今もいらっしゃいます。
先日他の地域の方に「今もいるんですか?」と驚かれました。
「今もいるか」どころではなく、今でも土日もなく、毎日睡眠を削って復興に尽力している役場職員もたくさんいらっしゃいます。
それでも、まだ現地は昨日と同じだからニュースになりません。

熊本の繁華街だけ見て「もう大丈夫」と思わないでください。
熊本市内でも屋根のブルーシートの率は、東日本大震災の際の仙台市内よりも多いように見えました。台風対策の屋根瓦の普及率が原因なのでしょう。
瓦職人が不足して修理までに時間がかかるようです。
熊本市内の知人の家では、とりあえずブルーシートをかけているようですが、その間に雨漏りが始まって、天井が垂れ下がってきているとのことでした。

土地家屋調査士会の会議後、地元の皆さんに案内していただいた益城町は、テレビでもご覧になっているでしょうが、とてもとてもひどい被災状況でした。

お金や力が無くても支援はできます。
自分ができることがあるはずです。
むしろ自分しかできないことがあるかも知れません。

知人がいたら手紙や電話をしても良いと思います。
「それどころじゃないだろうから」「何と声をかけたら良いか」など迷うのでしょうが、あまり考えすぎずに声をかけたら良いと思います。
そろそろ被災者が精神的につらくなる時期だと思っています。
熊本地震では関連死の数が直接死の数を超える可能性もあるようです。

知人がいなければ、つねに何か気にしているだけでも良いと思います。
毎日の買い物に熊本産のものを少し入れても良いでしょう。


とにかく、阪神淡路大震災や東日本大震災と比較して死者や建物被害の数が少ないからといって、熊本地震を軽く扱わないでください。

その人にとっては100%なのですから。