2014年12月15日月曜日

インターステラー

高校から大学にかけて古今東西のSFと言われるジャンルを読み漁った時代があります。
今でも小説も映画もSFは好きなジャンルです。
一口にSFと言っても、スペースオペラから四畳半SFと言われるものなど、とてもジャンルの広がりがあります。どこまでがSFなのか定義が難しいものもあります。

そんな中、SFど真ん中の映画「インターステラー」を観てきました。
クリストファー・ノーランが新しい「2001年宇宙の旅」を創りたかったとか。


これは、地球の寿命が尽きかけていることを知った、人類の物語。
人類は存亡を懸け、そして愛する者の未来を守るために、新たな星を探すことを決意する。
劇的な環境変化によって、地球の寿命は尽きかけていた。生きて帰れるか分からない、重大な使命を担う壮大な旅に選ばれたのは、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男と数少ないクルーのみ。彼らは、居住可能な新たな惑星を探す為、前人未踏の未開の地へと旅立つ。人類の限界越える不可能にも思える史上最大のミッション。果たして彼らは、自らの使命を全うし、愛する家族の元へと生還することができるのか? by Official



評判は良いです。
今年一番の映画と大絶賛の人達がいます。

何しろ五次元宇宙やブラックホールに宇宙船が入るところを二次元のスクリーンに映像化したのだから、とてもチャレンジングな映像です。
そしてドラマとしても、「2001年」のオマージュをちりばめて、壮大な宇宙と先が読めないミッション、そして家族ドラマを同時進行で描くシナリオですから、評判も良いのでしょう。


でも私はあまり楽しめませんでした。

ちょっとどこかで見たことあるような展開。決して「2001年」ではない。
結局地球を救うのもアメリカ人個人とその家族に帰結するというハリウッドお約束の展開。

映像として新しいかも知れないけれど、もうSFとして新しくないと思います。

科学考証をしっかりしているという評判でしたが、それほどでもないです。
ブルーバックス的な単語が並んでいるだけです。
むしろ科学的にはツッコミ箇所が有り過ぎます。
ここでたくさんツッコミたいけれど、全部ネタバレに繋がるので残念です。
「この映画は完全なファンタジーです」と言うなら文句は無いんです。
でも如何にも「科学的な検証をしているよ的な映画」だから、ちょっと違和感がありました。

そして「おそらく日本SFなら最後はこうならないだろうな」と思わせる如何にもハリウッド的エンディングですから。

もちろん観に行くのは良いと思います。
「事象の地平面の外側から特異点を描く」という映像はスクリーンで観る価値はあります。
俳優も主役マシュー・マコノヒーはやはり良かったし、ジェシカ・チャステインもとても良い演技だったし、アン・ハサウェイは宇宙でも綺麗だし。

私でも1800円の元は取れたと思います。(たいてい定価では観ないけどね)
私も後悔している訳ではありません。
少なくても私以外の方の評判はかなり良いです。
私は、高校時代に浴びたSFと落語の洗礼により、ものの見方が少しひねくれてしまったようです。

ただ観に行くのなら、これ以上の事前情報は見ないで行ってください。
物語の先が読めないことと、「予告に無いお楽しみ人物が待っている」ことも、この映画の楽しみの一つですから。