2013年12月1日日曜日

認定土地家屋調査士の将来像を考える

東北ブロック協議会の今年度の事業計画は以下の5項目です。
1.認定土地家屋調査士の将来像を考える座談会
2.ADR担当者会同
3.日本土地家屋調査士会連合会事業計画と連動する事業
4.新人研修会の開催
5,調査士試験合格者のための開業ガイダンス

東北は復興など忙しいこともあり、今年はなるべくまとめて開催しようと計画しました。
ということで上記1、2、3をこの週末に仙台で併催しました。

「認定調査士の将来像を考える座談会」
「ADR担当者会同」

他では「認定土地家屋調査士活用研修会」を推奨されることも有るようですが、東北では別の考え方をしていました。「認定調査士活用研修会」が、実際にADR代理業務の依頼が来たときにどう動くべきか等のノウハウの研修会であれば、ブロック協議会としてはその前にやることがあると思っていました。

今年、ADRセンターが全国50会全部に設立されました。
このADRセンターと認定土地家屋調査士を法施行当時の制度設計に立ち返って研究し、これからのADRセンターと認定土地家屋調査士との関係がどうあるべきかを、根本から議論することが重要と考えていました。

その方針で昨年は制度設計に立ち返って研究するために、九州大学の七戸教授と制度制定時の日調連会長だった西本孔昭先生をお招きして研修会を開催しました

実際に認定土地家屋調査士の活用として、全国では各種相談の相談員や、筆界調査委員や様々な推薦をするための内部基準に使っていることがあるようです。確かにそれらの配慮は、認定土地家屋調査士自身の為になることも有るでしょう。しかしそれは、法が予定している認定土地家屋調査士の本質的な活用になっていないと思っていました。

それに関して私は、以前から千葉会の取り組みが参考になると思っていました。
千葉会の場合、センターに関する相談は、原則的に専用の研修を受けた認定土地家屋調査士が各々の事務所で受けることになっています。そのやり方が、ADRの相談にいらっしゃったお客様にとっても、本当に役に立つシステムになっています。

たとえば、裁判を検討する際に、裁判をすべきかとかその見通しはどうか等の相談は弁護士事務所に行くでしょう。裁判所に相談することがあるとすれば、それは裁判手続に関することでしょう。そんな感じで捉えてみると分かりやすいかもしれません。

千葉の場合、相談を受けてみて、その事件がADRよりも筆界特定に向いていたり、一般業務で処理すべき事件であれば、そのまま相談を受けた認定土地家屋調査士が担当しても良いのです。これもセンター組織として相談を受けているのではないから、一番その事件に向いている解決方法を提案しやすいのでしょう。

東北ブロックとして、今年は千葉会の「センターちば」の高橋一修先生をお招きして研修会を開催し、この千葉の制度等の説明をお聞きしました。
そしてその後、東北のADRの担当者が集まって議論しました。
担当者会同は、得てしてそれぞれ担当者の愚痴のはけ口になりがちですが、今年の担当者会同は将来に向けて良い議論ができたようです。