2013年12月10日火曜日

改正被災マンション法初適用

10月3日のブログで紹介した改正被災マンション法ですが、早速この改正法に基づく敷地売却の決議が仙台市内のマンションでなされました。

そのマンションは「東仙台マンション」です。
このマンションは2011年8月3日のブログの写真の下3枚で紹介していますし、私も各種シンポジウム等で被災マンション法の改正を訴えてきた具体例でした。

東仙台マンションは2011年3月11日の東日本大震災で被災しました。
そのときは大規模修繕の方向で決議して、各自お金をかけて修理を始めました。しかし、その矢先の同4月7日の余震で、東仙台マンションは全壊状態になりました。

それからの解体決定と、工事までのご苦労と、敷地を売却できないもどかしさを傍で見てきました。
今回の改正被災マンション法により敷地売却の道が開け、実際に買い手もついたようですが、様々な費用を引くと、権利者にはほとんど残らないような金額です。
大変お気の毒ですが、法的には決着がつきました。


12月18日追記

本日関係者の方から「本ブログの表現では誤解が生じる可能性がある」とご指摘を受けました。
もし私の文章表現でどなたかにご迷惑をお掛けしたのなら、大変申し訳なく思います。
以下に本文の趣旨の説明と訂正をさせて戴きます。

「様々な費用を引くと、権利者にはほどんど残らないような金額です」の部分です。
これは「費用を引いたから残らない」という意味ではありません。今回の被災問題解決のための費用をできるだけ抑えることで、関係者はたいへんご苦労されていることは聞いております。
私の文章の趣旨は「全体で1億9000万円余りを140の所有者で単純に割ればでてくる金額が、住まいを無くした住人の方々にとって、とても少ないな」という単純な思いからの感想でした。
もちろん中古マンションの相場も知っています。その相場と比べて安いと言っている訳でもありません。売買価格や諸費用は妥当なものでしょう。
「お気の毒」と書いたのも、単純に被災者は皆お気の毒と思っているからです。何も無ければそのままお住まいになれたのですから、お気の毒と思っています。
そう思わなければ、私もこの1000日被災地支援に駆け廻ることはありません。

私の文章の表現能力の問題で関係者に不快な思いやご迷惑をお掛けしたのなら、心からお詫び致します。私の趣旨はこのとおりですので、ご理解をよろしくお願いいたします。



以下12月8日のNHKのニュースです。

「被災マンション跡地 法改正後初の売却へ」

東日本大震災で被災したマンションの敷地の売却について、必要とされる同意が法律の改正で所有者「全員」から所有者の「5分の4以上」となったことを受けて、8日、法律改正後、初めて仙台市のマンションで跡地の売却が決議されました。

このマンションは東日本大震災で全壊した仙台市宮城野区の「東仙台マンション」です。
8日、宮城野区の集会所にマンションの所有者およそ30人が集まり、委任状を提出していた所有者と合わせて9割以上の同意を得て、跡地を売却することが決議されました。
東仙台マンションは140の個人や法人が所有し、震災で全壊しましたが、被災マンション法では敷地の売却には所有者全員の同意が必要で、震災前から2人の所有者が行方不明だったことから、売却できない状態となっていました。
しかし、法律がことし6月に改正され、所有者の5分の4以上が同意すれば跡地が売却できるようになったことを受けて、8日、決議が行われました。
この結果、マンションの跡地は仙台市の医療法人に1億9000万円余りで売却される予定だということです。法律の改正後、マンションの跡地の売却が決まったのは初めてです。
東仙台マンションの所有者の代表、土谷信也さんは「法律のレールがないなかでの初めての取り組みだったので、まずは一安心だ。今後、ほかのマンションにも参考にしてもらいたい」と話していました。