2013年12月12日木曜日

フィンガー・プレゼンター 黒曜石

私昔から研修については、受講するにも、講師をするにも、とてもこだわっている部分があります。

講師がどんなに中身に自信が有っても、受講者に伝わらなければ自己満足です。
貴重な時間を割いて来てくださる受講者の為に、いかに分かりやすくお伝えするかが、講師のすべてだと思っています。

自分たちの学生時代の大学教授の講義を思い出せば思い当たるでしょうが、研究者としての能力と、他人に伝える能力は、まったく別のものだから、講師をする人はそのための別のトレーニングすべきだと考えています。

知識を伝えただけでは「伝達」までです。
「そんな研修も有ったな」というだけに終わります。

噛み砕いて説明するだけでは「理解」までです。
「お前の言うことは分かった。でも俺は違う」ということになるかも知れません。

講義は、できれば「共感」まで行きたいものです。
「本当にそうだよな。俺もやってみるか」
そこまで行けば研修の意義が有ると思っています。

でもこれがとても難しいです。
謙虚さがオドオドしているように見えると知識すら伝わりません。
逆に「俺はこんなに知っているんだぞ」ということに終始する講師では共感は得られませんし、

私は、研修会では当日使うスライドの印刷は絶対に渡しません。講義の展開が見える資料を予め渡すと、当日の講義に集中してもらえません。受講者が「後でこの資料を見れば良い」と考えて、研修会では注意散漫になってしまいます。
お渡しする資料は後で見てもらえば良いのです。むしろ、「研修会後に再度この資料を開く気になるか」そこが研修の要です。

ですから私が講師をするときには、お話しの仕方も工夫しているつもりです。
一回の研修会でお伝えできることは、時間的にも多くは無理です。
だから「最低でもコレとコレ」という具体的目標に絞ろうと考えています。それ以上詰め込むと「俺凄いだろう」という研修会になってしまいます。

重要なことは、研修受講者が研修資料を、講師がコンピュータのディスプレイを、お互いに凝視している中では共感は伝わらないと考えています。
ですから受講者の眼を見ながら、身振りも意識しながらお話しをしています。

そのために私の研修は両手フリーが望ましいのです。
そこで最近愛用しているのが、この指輪です。


「フィンガー・プレゼンター黒曜石」です。コクヨで作った指輪だから「コクヨウセキ」なんでしょう。(ビミョー)

写真をご覧になれば機能が推測できるでしょう。
2.4GHz周波数帯域のラジオ波でコンピュータと接続してページ送り等ができるガジェットです。今までもこの手のガジェットはいくつか使ってみましたが、今のところ一番良いです。
既に何度かの研修会で使ってみています。

しかし誰にでもお奨めするものでもないでしょう。
研修会のスタイルによるでしょうね。
指示棒やレーザーポインターを使うタイプの講師は、ちょっと手持ち無沙汰になるかも知れません。
両手フリーが望ましいと思っている講師にはおそらく一番良いでしょう。そのタイプの講師は一度検討されても良いかと思います。

ここまで書いてしまうと、明日の群馬の研修会で「お前、ブログで書いていることと、実際に今日やっていることが違うだろ」って言われるかも。