2012年12月17日月曜日

震災報告会〜実行委員長の挨拶

先週14日〜16日に「東日本大震災報告会〜被災地からの発信」を福島、岩手、宮城の土地家屋調査士会の合同で開催いたしました。
北海道から沖縄まで本当に全国からたくさんの仲間が集まってくださいました。
動員もかけずに400人強の個人参加者が集まってくださるなんてとても凄い事です。感激しました。
何時間、何百人の前で研修会講師をしても、あがった事の無い私が、最初の実行委員長の挨拶をする際に、感激で動揺してしまいました。
動揺した事は完全にバレていて、懇親会で皆さんからイジられましたね。
実は、こんな趣旨の挨拶をしたつもりです。


本日は全国からこんなに大勢の土地家屋調査士の皆様にお集まり戴き、とても感謝しておりますとともに、福島、岩手、宮城を代表する実行委員長としてとても感激しております。

昨年の3月11日は、ー生忘れられない日になりました。あの東日本大震災という自然による想像もつかない程の暴力と、それに対する人間の無力感と、そしてその直後に始まる全国の連帯と心の籠ったご支援と、それらすべてが忘れられないものになりました。
当時食べ物も水も電気もガスも無く、暗闇の不安な中、私たち被災地の人間は、全国の皆様による物心両面のご支援にとても勇気を戴きました。

お陰様でとても歩みは遅いのですが、それでも岩手、宮城は復興の道を歩み始めています。しかしご存知のとおり福島は、その復興のプロセスに入る事さえ許されない状況でもあります。これが被災地東北の現状でもあります。

今回の報告会は、全国の土地家屋調査士の皆様から戴いた多くのご支援に対するお礼の一つのつもりで企画しました。首都直下型地震など近い将来懸念される問題も提起されている中、被災地で起きること、被災者ができること、被災地でなければできないこと、それを専門家の皆さんにお伝えする事が今回の報告会の趣旨です。

また本日の報告会だけでなく、その前後の被災地バスツアーなどで、実際の被災地の不動産を見ていただきたいと思っています。
被災地で土地や建物がどうなるのか。そのときに地図や登記がどうなると思うか。その土地で暮らす人々の生活にどんな問題が生じるのか。
そしてその状況で、専門家として何ができるのか。
すべて失った海岸付近の住宅地はとても気の毒です。でも構造物が残ったまま地表面が不等移動した陸地の方が、地籍学的問題が大きい事は土地家屋調査士の皆様ならお分かりのことと存じます。

そんな部分を専門家の眼で見て、感じて、考えて欲しいと願っています。
この被災地を専門家として、全国の専門家を案内する事が、今できる皆さんへの一番の恩返しだと信じています。
あまりストイックに考えなくても結構です。気軽なご参加で結構です。
この3日間のイベントを通して、日本国民として何かを、そして日本の専門家として何かを、感じていただけたら幸いです。

では、本日の報告会を始めさせて戴きます。
運営等至らないことも多いと思いますが、精一杯準備しましたので、最後までよろしくお願い申し上げます。