2015年11月15日日曜日

開業するかどうかを決断する方法

おはようございます。○○県△市のSと申します。
突然メール致しまして申し訳ありません。
土地家屋調査士の登録を近々考えている者です。

試験は2008年に合格しました。
(略)
資格を生かさなければ勿体ないという思い等、他にも様々な思いもありまして開業しようかどうか悩み現在に至っております。
(略)
先生にアドバイスを一言頂ければ幸いに存じます。


試験合格者や新人のためのガイダンスを長年やってきていると、たまにこのような開業のご相談をいただくことがあります。
開業の相談とは、その方とその方の家族の一生に関わることです。
いつも覚悟を持って相談を受けています。

ただし、このようなメールの相談にメールでお答えするのはとても難しいのです。
その方の背景をお聞きしないと何も答えられません。
例えばその方の年齢、家族構成、経歴、調査士としての実務能力、当面の仕事の受託可能性、開業予定地等々お聞きしないと、的確なアドバイスができません。
開業は一般論ではないのです。

そこで電話しました。
結局30分ほど話しをしました。

当然ここで詳細は書きませんが、その中で他の方にも参考になるかもしれないことを書いてみます。

1)迷ったら「やる」と決めてシミュレーションをしてみる
大抵物事を迷っている人は、「やる」か「止める」かについて、感情的にフラフラしているからです。気持ちはわかります。でもそれならいつまで経っても解決しません。
また将来を理詰めで考えられなくては、開業してからも苦労するでしょう。
私のやり方は、迷ったら「やる」と一度決めてシミュレーションをします。
「止める」のはいつでもできるからです。
そして「やる」つまり「開業する」なら何が問題かを一生懸命に考えるのです。
「やる」場合の問題をすべて上げてみるのです。

開業資金なのか、それならいくら必要なのか。
開業場所なのか、都会と田舎ではそれぞれメリット・ディメリットはどこにあるのか。
能力不足なのか、それではどれだけの能力が必要なのか。
家族の理解なのか、それなら何を納得させれば理解に変わるのか。
現在の職業の退職問題なのか、本当に辞められないのか。

それらを全部上げて、その問題をすべて解決できれば、開業できるわけです。
またどれかの問題が解決できそうもなければ、ぐずぐず考えていないで「止める」べきです。だって解決できないのだから。

2)試験合格したのに開業しないのは勿体無いとは限らない
よく試験に合格したので開業しないのは勿体無いと考える方がいます。
まったく間違っていると思います。
資格試験合格は「開業の理由」ではありません。
「開業の条件のひとつ」でしかありません。
資格試験はせいぜい数年間の勉強でしょう。
開業したら一生の問題です。
人生のたった数年のことに捉われて、その後の何十年の人生の可能性を決めるなら、それも勿体無いかもしれないのです。


Sさんには、もっと個人的なことも含めてお話ししました。

他にも迷っている人は多いでしょう。
一人で悩んでいても仕方ありません。
地元の先輩や土地家屋調査士会に相談しても良いでしょう。

また東北ブロックの開業ガイダンスに参加されても良いでしょう。
東北以外の方も参加できます。

ちなみに楽天トラベルで調べてみました。
関西方面から参加するとして。

1月16日~17日、1泊2日
大阪伊丹空港~仙台空港
往復とビジネスホテル1泊で、本日現在35,000円前後でした。
ガイダンス(無料)に出て、希望者懇親会(実費)と翌日の観光?お土産?を入れて5〜6万円程度かもしれません。

参加も開業も無理には勧めませんけど。