2023年9月11日月曜日

先輩の仕事を手伝っている新人に

私のガイダンスでは、土地家屋調査士を目指す人達に先輩の仕事を手伝わせてもらうことを提案しています。

事務所ごとに仕事の進め方が違うこともあり、たくさんの事務所のやり方を経験することで、様々な気づきを得ることができます。

ただし、そのためには、意識を持って手伝う必要があります。

「今、先輩は何をしようとしているのか」「それはどういう理由からなのか」そんなふうに疑問を持って、その答えを想像しながら手伝うのです。

「先日手伝った事務所のやり方とどこが違うのか」「それは何故なのか」「この先輩のやり方は何を狙っているのか」一生懸命に考えることが必要です。

仕事が終わって先輩が落ちついた頃に、失礼がないように配慮して質問すれば、良い答え合わせができるかもしれません。


測量のポールを持って動くという手伝いだとしても、たとえば現況平面測量において、「先輩は現況のどの点を観測しようとするのか」「今回の業務で何故この点が必要と考えるのか」また「今この点を観測しているのなら次はどの点に移動すれば良いのか」などを、次々に想像してみるべきでしょう。

そして、そこまで考えた上で、可能なら自分が手伝った現場の測量図を見せてもらえると、その点を観測した意味をもっと理解できますね。

測量している最中に近所の方から声がかかったら、「先輩はどのように受け答えをしているのだろうか」と、邪魔にならない範囲で聴くことができたらかなり勉強になるかもしれません。

でも新人のお話を聴いていると、まったくそんなことを意識せずに、ただただ手伝っている人が多いようです。それじゃ、アルバイトにしかなりません。

何年手伝っても、土地家屋調査士にはなれません。


「意識を持って」「疑問を持って」「想像して」がんばってください。