後進の指導をしているときに、よく参考図書の相談をされます。
相談者のスキルを確認して、その人に合った本を紹介するように心がけています。
ただし、最近感じるのは、「何を読むか」よりも、「どのように読むか」の訓練ができていない方が多いように感じます。
小説を読むわけでも試験のために読むわけでもないのであれば、専門書ならではの別の読書法があると思います。
以前読書法を書いたことがありますが、今日はもう少し書き加えさせてもらいます。
土地家屋調査士 鈴木 修 ブログ: 私の読書法 まとめ (fermatadiary.blogspot.com)
まず専門家として、より専門知識を学ぼうとして読書をするつもりなら、少なくても以下の点はチェックして欲しいのです。
1.目的を持って読む
専門書を読む前に、何を知りたいから読むのか、その読書について明確な目的を持ちましょう。目的が明確であれば、読み方や読む順番と読む深さを決めることができます。目的に沿った読書をすることで、有益な情報を効率的に得ることができます。
2.前書きをしっかり読み、目次を整理してから読む
専門書を読む場合、必ずしも最初から最後まで読まなくてもよいです。
まずは上記2で整理した目次や索引を見て、上記1で設定した今回の目的に必要とする情報がどこにあるかを探してください。他の部分が必要がなければ、読まなくても良いのです。
必要な部分だけを抜粋して読んで良いのです。
必要な情報に出会ったら、その都度、その情報を自分なりに別途まとめることが重要です。
4.能動的に読む
専門書を読む際には、受け身ではなく能動的に読むことが大切です。
つまり、読みながら自分の頭で考え、疑問や質問を持ち、さらに書いてある専門用語以外の自分自身の言葉でまとめることが重要です。
能動的に読むことで、理解が深まり、自分なりの見解を持つことができます。
5.読んだことを必ずまとめる
専門書を読んだ後には、読んだことをまとめることが重要です。読みっぱなしにしていると、そのときに分かったつもりでも、すぐに忘れます。自分自身の言葉でまとめてください。
まとめるときのノートは余白を大きく取って書いてください。そのまとめたノートなどに、同じジャンルの本をよんだときに身についた新しい知識や気づきをさらに加えるのです。いずれかけがえのない自分専用の専門書がそこにできるはずです。
さて上記の2番目で書いた目次の整理ですが、私は以下のようなマインドマップで整理をしてから読み始めることが多いです。目次を機械的に整理してA3版の1枚に印刷して開きながら読むと、体系がよく理解できます。読み終わったら表紙に挟みます。
受験勉強が長い人は頭から精読したがりますが、今読んでいる箇所は、はたしてその本の体系ではどんな位置にあるのかに注目しましょう。本論の幹の部分なのか、枝葉の部分なのか、そこを意識せずに頭から読み始めると、理論体系が身につきづらいと思っています。
以下は
「実務必携 境界確定の手引」(新日本法規)を、著者の江口さんからちょうだいしたときに、その目次をマインドマップで整理したものです。今回ブログで紹介するために清書しました。
江口滋(土地家屋調査士)、岸田庄司(土地家屋調査士)、秋保賢一(弁護士)の各氏による執筆です。良い本だと思います。